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少林寺拳法グループ東日本大震災支援対策本部 東日本大震災への対応について-みんなでできること、わたしにできること-
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「支援対策」から「復興支援」へ

 東日本大震災から5年がたちました。少林寺拳法グループでは、東日本大震災復興支援本部として活動してきましたが、このたび、一つの区切りとして、“東日本大震災復興支援室”に名称を改め、2017年3月末までの期限付きで活動していくことになりました。
 これまでに、義援金募金活動、被災者受け入れ、被災地域でのイベントなどの開催・協力、被災県の拳士を招待しての行事の開催、都道府県単位での物資支援や、炊き出し、ボランティア活動など、多くの活動が行われました。また、NPO法人「311桜ライン」(陸前高田市)への支援も継続しています。
 このように、たくさんの拳士、関係者の方々が、いろいろな形で復興支援のためにご協力くださり、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
 引き続き、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
 前述のように、復興支援活動にはさまざまな活動があります。現地に行ってボランティア活動することは大切なことであり、また、継続することは大変なことでもあります。たとえ現地に行けなくても、活動を支援するための募金活動を行うことも大切なことです。それぞれの人が、復興支援活動にどのような形で加わるか、それぞれができる範囲内で行うことが、継続することにつながるのではないでしょうか。
 現地へ行ってボランティア活動をする。現地に行けなくても、募金活動でボランティ活動を支援する。また、募金をされた方も、もちろん活動に参加したことになります。それぞれが自分のできる範囲内で、継続的に活動していくことが大切だと思います。
 現地でボランティア活動をしたら、現地の方が喜んでくれた。そのボランティア活動の支援として募金活動をすることで、現地でボランティア活動をする方々が喜んでくれる。また、募金をしていただいた方に「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えることで、募金をされた方が喜んでくれる。このように、“ありがとう”という気持ちが、現地の方々と一本の糸でつながると思います。
 少林寺拳法創始者・宗道臣(開祖)は、「幸せとは、人間関係の豊かさにある。そのためには、まず自分から他人(ひと)に何かをしてあげることだ。してあげるものを持っていること自体が喜びとなる。してもらった相手はもちろん喜ぶ。その顔を見て自分も喜ぶ。してあげることによって、その喜びが三倍になって返ってくるのだ」と言われました。
 支援活動の“ありがとう”のつながりは、この三倍の喜び以上の喜びがあるように思えます。
 皆様、自分のできる範囲内で、引き続き、ご協力をお願いいたします。

(東日本大震災復興支援室室長・井上 弘)

いま、必要とされている活動を、自分にできることから、何からでも続けたい

「もう道院復活はむずかしいと思った。」街がほとんどなくなってしまった。助かった人達もどれだけの人がここに残るかわからない、そんな状況の中、「被災した少年拳士たちに後押しされ、もう一度やらなければと思った。」岩手高田道院・五日市周三道院長の言葉です。その言葉には次のような背景がありました。

―――4月16日、釜石から大船渡・陸前高田・気仙沼、南三陸・石巻・多賀城と被災地を訪れた私は、現地の状況を目の当たりにし愕然としました。阪神淡路大震災も大変な状況でしたが、それとはまた違う、津波の被害は、まさに街が消滅するという状況です。率直なところ、被災された方々に何と言ってよいのか、伝える言葉も見つからず、「私たちが頑張ります!」としか言えませんでした。(被災地訪問)   少林寺拳法グループでは、支援対策本部を設置しています。宮城県多賀城市を拠点として瓦礫の片付けなど、学生連盟や全国各地から道院長・拳士など有志の方々が、様々な活動を展開しています。その一つに陸前高田市(岩手県)での「ラーメン隊」があります。神奈川大和道院の荒木誠吉道院長が、同じ道院の仲間に呼びかけたところ、道院の拳士の中でラーメン店を営む櫻井拳士がいて、「道院の皆でラーメンの炊き出しをやろう!」という声があがりました。ただ、ガスも水道もまだ復旧していない現地です。ところが、拳士の中にガス関係、水道設備関係の専門職の人、コンテナなどの資材も提供してくださる方等が現れ、皆の協力で完璧なキッチンコンテナができ上がったのです。それを現地に運んで、神奈川県連盟のバックアップのもと被災された方々にあたたかいラーメンを提供させていただく活動を始めました。

    活動を開始した当初より多くの方々に喜んでいただけたようです。なかには、こんな場面もあったそうです。小さい子どもがやってきて「ラーメン、いくら?」と訪ねると、聞かれたスタッフが「お金は要らないよ」と答えると、子どもは周りにいた大人を見回し、「本当にただ?」と確かめ、「うん、食べていいんだよ。」という答えを聞いてから、はじめて美味しそうにラーメンを食べ始めたそうです。津波により、両親を亡くし、一人で食べに来た子どもだったようです。こんな子どもが何人もいるのです、ということでした。また、ここに集うことが、離れ離れになっていた人たちの再会の場にもなっている。「生きてたんだ!」という再会の瞬間に何度も立ち会うのだそうです。ラーメン隊の皆さんは、現地の方々に喜んでもらえることで、「やりがいになっている」、「力になれることの喜びを強く感じている」と言われていました。
  私が嬉しかったのは、そうして集った被災された人たちが一緒になって活動に参加をし始めていたことでした。美味しいラーメンが提供されているという話を聞いてやって来た方々が少しずつ「自分も何かしなきゃ!」と奮起し、スタッフに混じって活動しているのです。そして、参加される現地の方々がおっしゃるのだそうです。「いろんなものがあるときには、いらないものにずいぶんとこだわっていた。いま何もなくなってから本当に大切なものって何か?考えるようにもなった。自分にとってできることは何か。」と。

志を持った人が始め、人が集い、元気になり、イキイキと時間を過ごし始める。
私は少林寺拳法の道場の姿を見ました。誇るべき私たちのこだわりです。

ここに、冒頭の五日市道院長がいました。震災当日、ご本人は勤務先である盛岡にいて無事でしたが、道院のある陸前高田の惨状を映像で見ることとなりました。心配でたまらなかったと思います。県の職員という立場上帰れない状態が続いていたそうです。私が現地を訪れた日に、五日市道院長は勤務先から5時間の距離を駆け付け、道院の子ども達や保護者と一緒に、ラーメン隊の活動にも参加してくれました。そして、数日後、五日市道院長から「大変な中、避難所でじっとしていると後ろ向きになるけれど、こうやって手伝っていると元気が出るというお母さんや、辛くても仲間が集って楽しそうにしている子どもたちの様子を見て、この子たちの為にも少林寺拳法をまた始めなければ・・・と道院の再建に向かって気力がわいてきた」というメールが届きました。

いま、必要とされている活動を、自分にできることから、何からでも続けたいと思います。


少林寺拳法グループ総裁  宗 由貴
神奈川大和道院「ラーメン隊」 2011年4月16日の支援活動報告

2011年4月16日の支援活動報告

2011年4月16日の支援活動報告

2011年4月16日の支援活動報告

日本に活力が戻る日に向け、最善の判断を……

  この度の東日本大震災によって被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。今度の日本観測史上最大級の地震と大津波は、数多くの人々の尊い命を奪い、幸せな家庭と、個々人が長年築き上げてきた歴史を破壊しました。少林寺拳法関係者の安否確認がされるたび、胸をなで下ろしたり、涙したりしています。
  被災された皆様のことを思うと本当に胸が痛みます。現地に入るには数々の制限がある中、まずできることとして、義援金口座を開設いたしましたが、現地との連絡を取りながら、とにかく何からでも支援を始めたいと思います。
  また、福島においては原子力発電所が被害を受けたことにより、深刻な現状の中、放射能汚染という次なる不安が日本を襲っています。
  "今あるものが、明日からもある・・・"という保障はどこにもありません。今ある幸せは努力によって築き上げられたものであり、鋭い感性と情報分析、そして行動力を持って初めて守れるものです。
  どうか、全国の皆様、くれぐれも細心の注意を払われ気をつけてください。
  日本に活力が戻る日に向け、最善の判断をされることを切に願います。

少林寺拳法グループ総裁  宗 由貴
 

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