金剛禅総本山少林寺

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桜色に そめし衣を ぬぎかへて 山ほととぎす 今日よりぞ待つ

桜色に そめし衣を ぬぎかへて 山ほととぎす 今日よりぞ待つ

 和泉式部に倣って衣替えの最中、ふと、しまい込んでいた道衣に目が留まりました。もう何年も参座できておらず白帯のままです…。傷んでいないか道衣を手に取ると、お世話になった皆さんのお顔が思い浮かんできます。
 8年前、職場の上司に「道院の夏合宿で石鎚山に登るからおいでよ。」とお誘いいただき、参加したのが入門のきっかけでした。上司しか知っている方がいないし、厳つい方が多いのかと、勝手なイメージがあり少々不安でしたが、皆さん気さくな方ですぐに打ち解けることができました。石鎚山では、ほぼ垂直の三の鎖を登り切ったことで「まだ体力いけるかな」と変な自信?勘違い?をしてしまい、帰る時には入門することを決めていました。その時に仲良くなった中学生のA君、О君と修練では一緒になることが多く、お母さんと変わらない年代の私とも嫌がらずに組んでくれましたし、合間では学校の話しを聞かせてくれることもありました。道院には小さな子から、自分の親ぐらいの年代の大先輩もいらっしゃり、入門の目的は様々でしょうが、技のことに限らず、共に成長する喜び、間違いを共に正せる素晴らしい関係、ピリッとした中にも暖かい雰囲気がいっぱい溢れていました。偶然にも入門式の日は誕生日で、誓願文を奉読させていただいて、感慨深い日となったことを思いだします。
 そうして楽しく通っていたところ、家庭の事情でお休みしなければならなくなりました。道院長に事情をお伝えしたところ、励ましのお話をいただき、「有意味感」を持つことを教わりました。おかげで、意図せずに発生する色んな状況にも動揺することなく向き合っていけるようになったのではと思います。この度のコロナ禍で、従来と違う生活が求められ、世の中の当たり前が急激に変わってきています。道場には行けないけれど、皆さんのことを思い、護持興隆のために何ができるか…ほととぎすが来るのをただ待つのでは無く、忍び音を聞き逃さないよう「大切にすること」をあらためて考えていきたいと思います。
本部道院 H・М(本山職員)a