一般社団法人SHORINJI KEMPO UNITY

各地・拳士からの声

2019年11月01日

ここでは、様々な年齢層・男女拳士のアンケート、所感、作文などの内容を紹介します。

*本コーナーでは、幅広く拳士の皆様からの投稿を募集しています。投稿は、下記担当までメール・FAXもしくは郵送にてお願いします。

(担当)少林寺拳法連盟東京事務所 川島佑斗

    〒170-0004  東京都豊島区北大塚2-17-5  少林寺拳法東京研修センター3F

    TEL:03-5961-2190 / FAX:03-5961-2192

    メール:y-kawashima@shorinjikempo.or.jp

 

■「夢と消えた大記録」(平成28年8月、川崎柿生道院拳友会 諏佐一義)

 彼の名は、金子佑哉拳士、川崎柿生道院拳友会所属で、白鳥中学校の3年生です。彼は全日本少年少女武道少林寺拳法錬成大会に、小学1年生から中学2年生まで毎回出場し、総合点数255点以上を叩き出し、八ヶのメダルを取得しました。そしていよいよ今年第37回の錬成大会で、大記録の九ヶ目のメダルを目指し、後輩の芹田柊希拳士と組演武に出場しました。結果は254点で1点に泣き、彼の少年少女錬成大会の大記録は成らず夢と消えました。そして8月13、14日の第10回全国中学生大会(大阪)に単独演武で出場し、予選133名中、準決勝48名に残り、翌日の決勝18名にも残り、結果は10位でした。彼の熱い闘いの少年時代は終わり、来年は進学する、いずれかの高校から、インターハイに出場し、活躍することでしょう…。読者の皆々様には応援を願い、筆を置きます。

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■「一本橋」(平成28年水無月夏至、金沢文庫道院所属 米田隆英)

 日本各地に同じ形状の橋が置かれている。架(かか)っておらず橋杭(くい)も橋桁(げた)も無い。元より川が無い。その数、1300余と識(し)る。長さ15m巾10cm高さ5cm両端30cm楔形(くさびかた)、全国統一規格だ。毎日何処かで誰かが、この橋から落ちている。様々な人達が共通の目標に向い、橋を渡ろうと頑張るが酔っ払いの如くフラつき落下している。そして五十路の我、普通自動二輪AT限定免許取得に挑み、この橋に出会った。四足歩行より二足歩行、四輪より二輪の方が不安定だ。乗馬経験もなく牛・ロバ・象・駱駝の類も未乗なり。人馬一体となれ、バイクも同じと教授されるが、馬の気持ちも鉄塊バイクの気持ちもさっぱり判らない。S字・スラローム・坂道・急発停などの課題を練習するのだが、最高に悩み苦しんだのが一本橋と俗称される直線狭路コースである。前記サイズの橋を7秒以上かけて渡る。体操の平均台長さ5m、巾10cm、高さ4尺弱を90秒以内で勝負している競技とは別世界の話である。どちらが難しいか、敢えて記さない。さて、若者や女性は簡単に渡る。落下率は、年齢に正比例らしく我は、不可標本的生徒となった。バランス感覚に難ありと認識しておらず、そつなく捌(さば)いて生きてきた、はずだったが一本橋は手強かった。久しぶりに本気で悩んで本気で焦った。遠くを見る・丹田に下す・呼吸を成果に・肘を張らず・膝を内に絞る込む・等は少林寺拳法の基本と合致せり。ただ、グリップ握りは、正拳握りや龍華拳の掛手のように、小指スタートではなかった。親指と人差指二本で豆をつまみ遊ぶ感覚也。力を抜くという力が入ってしまい、まっすぐに歪むという現象が起こり、遠近が混乱し、昔女神の名前を連呼し、下顎(したあご)を突きだし正中(せいちゅう)線(せん)から光を発射したり、己は失われ、何かに取り憑かれた様だった。それでも折れずに、冴えた心の背骨を直立させ、丁寧にバランスを保ち、バイクに総身(そうしん)水袋(すいたい)し、梅雨前には卒検一発合格した。試験前は、深い呼吸と丹田の低さ、妙に落ち着いている我がバイクに跨っていた。不思議な空間だった。さて、そろそろ人生逆算を開始する年代だが、我は新たに、『流離(さすらい)バイク旅(たび)』という趣味をスタートさせる。来秋本部講習会には瀬戸大橋を渡り、参座したい。帰路は、しまなみ海道を快走し、ホンモノの橋を存分に味わいたい。これにて結手。

 

■「七転び八起きのだるまさん」(平成27年12月、大阪府柏原市 門谷優子)

 1年前の10月に、初段の試験を受けましたが、おもいっきりパニックになり、残念な結果でした。今年の2月、試験の1週間前で、走ってこけてしまい、右手首を骨折です。1ヶ月の入院とリハビリをして、6月に3度目の挑戦をしようとしましたが、痛くて諦めました。8月に骨折した所のボルトを取りましたが、私の車が追突されてショックを受けたり、いろんな事がありました。11月に吹田の体育館で、やっと合格できました。入院している間に筆記や漢字を勉強して、先生や先輩に教えて頂きますが、すぐに忘れて、何回もくり返し、やっと合格できたのです。「基礎の構えが大切だ」と審判の先生に教えて頂き、これからがスタートです。68歳ですが、子供達と一緒に楽しく頑張っています。