「公益事業としてのコーチング」 

2022/03/01

ph_arai

冬季オリンピックでは様々な感動がありました。ピンチの際、チームメンバーが互いに笑顔で声をかけあい、たとえ負けても、「一番輝いていた今日を喜ぼう」というポジティブな発言を聴いた時、また、大失敗した競技終了後に、ライバルが駆け寄りハグをしてその努力を賞賛する姿を見た時、私は胸が熱くなりました。おそらく失敗をしたプレーヤーも自分は一人ではないと、今後に勇気を持てたことでしょう。

かつての指導では、欠点を指摘され、怒られ、優勝劣敗を意識して育った人が多く、そしてまた、同じように子どもや若者・部下に指導をしてきたと思います。この欠点指摘型指導法も、子どもや部下の成長を願うものであり、当事者が奮起して高い効果をあげることもあります。しかし、多様性が求められる今日、他人と比較され、欠点ばかりを指摘され、失敗した結果だけに焦点を当てられ怒られている自分を想像してみてください。元気、やる気を持ち、継続できるでしょうか。そして自信や勇気が湧いてくるでしょうか。

2019年より、スポーツ庁は、ハラスメント撲滅を掲げ、指導者にプレーヤーの人的成長を図る指導スキルとしてコーチングを奨励しました。当連盟においても同年より支部長研修会などで、これらを紹介してきました。2021年度より、当連盟は、公益事業として、指導対象者の可能性を引き出し、自己肯定感を高め、主体的に物事に取り組める人財育成を促進できるよう、コーチング指導者育成コースを開催し、140名が学ばれています。コーチングを活用された参加者より、「自分の周りが明るくなった」、「家族の笑顔が増えた」、「部員に主体性が出てきた」、「部下がよく相談にくるようになった」などの感想が寄せられています。

近い将来、本コース修了者が、各地で部内外を問わず、少林寺拳法の教えを活かしたコーチングを普及して頂き、より活気ある空間づくりに役立つことを願っております。

以 上