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カウンセラー菅野純の視点〜

2019/05/08

レジリエンス ―逆境から立直る心

レジリエンス ―逆境から立直る心

 子どもの成長過程はいつも順風満帆ではありません。友達との仲たがいや成績不振、スランプ、孤立、いじめ、家庭の不和、養育者の病気や死そして災害などによる生活環境の激変…などさまざまなストレスとの出会いでもあるのです。ストレスに圧しつぶされそうになった時、何とか立ち直り、その体験を活かして更に成長する子…
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2018/09/26

発達障害児への対応

発達障害児への対応

 もし新しく入会した子に次のような問題が見られたら、あなたは指導者としてどうしますか?  (仮に、小学五年生・男子としましょう) ・指導者に注意される子がいると、わざわざその子のそばに行き「なんだ! おまえは! やる気あるのか!」と口汚くののしる。 ・自分は技をまったく出来ないにもかかわらず、大…
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2018/05/02

発達障害をめぐる「困り感」

発達障害をめぐる「困り感」

 発達障害児にはとらえにくい面がたくさんあります。難しい言葉を喋ったり、大人でも読めない漢字を読めたりできる反面、文章の内容を理解したり、言葉の背後にある隠れた意味を推察することができません。親として、指導者として、発達障害児にかかわる時に陥る感情は「苛立ち」ではないでしょうか。  「分かっている…
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2017/09/27

発達を促進する稽古づくり

発達を促進する稽古づくり

  「発達障害児(者)は発達します」- この言葉は、私が尊敬する在野の精神科医・神田橋條治先生の言葉です。 十年、二十年と長く発達障害児の成長を追っていくと、確かに発達するのです。たとえば授業中、教室の内外をあちこち動き回って多動だった子が、離席せずに座っていることができる、パニッ…
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2017/04/26

身近にある「発達障害」

身近にある「発達障害」

 黒板に書かれた文字をノートに写すことはできるが、板書なしに語られたことをノートにとることができないーいまこうした大学生の学習上の問題がよく話題になります。教師が語る言葉から、大事な点や検討すべき点を抽出する能力がきわめて低い学生がいるのです。そのため、大学教育は以前に比べると圧倒的に「親切」になっ…
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2017/01/30

遠くから注がれる《心のエネルギー》

遠くから注がれる《心のエネルギー》

 国際宇宙ステーションに勤務する宇宙飛行士の選考に心理学者として加わったことがあります。候補者の条件は「自然科学系大卒以上」「自然科学分野の研究・開発実務経験三年以上」「十分な英語能力・水泳などの体力」などに加え、心理的特性として協調性や適応性、意志力、情緒安定性などが求められる極めてハードルの高い…
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2016/11/28

「分かった!」「できた!」という喜びを

「分かった!」「できた!」という喜びを

 「分かった!」「できた!」という体験をしたとき、人間の心にはエネルギーがどっと湧き上がり「もっとやりたい」「さらに挑戦したい」という気持ちになります。 教育や指導のコツはこうした「分からなかった自分」から「分かるようになった自分」への変身、「できなかった自分」から「できるようになった自分」への変身…
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2016/10/03

社会的能力を支える心のエネルギー

社会的能力を支える心のエネルギー

 時間を守る、ルールを守る、自分の気持ちや考えをはっきり述べる、相手の言うことに耳を傾ける、状況を的確に判断する、根気強く頑張る、人の気持ちを思いやる‥‥こうした社会的場面で必要となる能力を「社会的能力」と言います。大人になればなる程こうした能力が大事になることは誰もが実感することではないでしょうか…
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2016/07/27

伴走者たること

伴走者たること

 子どもの頃から身体が小さく、駆けっこも遅くかった私が、クラス対抗陸上競技の選手を決める時、なぜ千メートル競争の選手に立候補したのか、自分でも不思議でした。中学二年になり、急に背が伸びたこと、成績も急上昇しクラスで一番をコンスタントに取れるようになったこと、などで自己イメージがアップしたためかも知れ…
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2016/05/27

目を注ぐ

目を注ぐ

 小学生時代の話です。クラスにオサム君という男の子がいました。小柄で目立たない子でした。家も貧しいらしく、お下がりの着古したシャツ姿で周囲の子からは「くさい」と敬遠されていました。私がいつも気になっていたのは、彼の右手が火傷のために変形していたことです。休み時間などは不自由な手にクレパスを挾み絵を描…
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2016/03/31

<心のエネルギー>を与える魔法の 言葉

<心のエネルギー>を与える魔法の 言葉

☆さまざまな背景を持つ子どもの指導  集団指導場面で、成績上位層に向かって投げかけていると、下位層の子どもたちが飽きてしまいザワザワし始めます。しかし下位層の子どもに焦点を当てて指導すると、こんどは上位層の子どもたちがつまらなくなり、各自バラバラなことをし始めるます。やる気のある子とない子、家庭的に…
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2016/01/26

人間の《よさ》体験

人間の《よさ》体験

自分に投げかけられた心のエネルギーを受け止めるのが、上手な子供と不得手な子供がいます。 上手な子供は、こちらが何か投げかけた時、「素直だな」「かわいいな」「健気だな」などと、好感を抱くような反応が返ってくる子です。投げかけた側は更にプラスの言葉をかけたりして、互いに心のエネルギーのやり取りが続くこと…