「力愛不二」

2019/05/08

ph_arai

 平成最後の春を迎えられた皆様は、平成時代をどのように振り返られていますでしょうか?私は、大変なことも、楽しい思い出もたくさんありましたが、元号の節目にあたる最近になって、児童虐待やストーカー、あおり運転などの事件が目立つことに心が痛みます。

 20歳の若さで未来を奪われた当人の無念さや、親御さんの気持ちになると慰めの言葉も出てきませんし、あおり運転の末、子供の目の前で両親が亡くなった事件で、男に出された懲役18年判決が「軽すぎる」という声も否定できません。

 背景には、加害者の様々なマイナス体験から生じた心の傷や後遺症、寂しさや孤独、理性的判断の喪失が影響しているかもしれませんが、決して許されることではありません。

 東京都が、児童に対する暴力に加え、暴言も規制する条例を制定しました。法的整備は大切なことですが、それでも心が変わらない限り、網の目をくぐり、形を変え、同じことが行われると思います。

 グローバル・IT社会、宇宙時代といわれる科学技術文明時代を迎えた今日でも、尊い命や人格を無視した身勝手な心と卑劣な行動、配慮に欠ける言葉の選択など人としての在り方が問われ続けられています。

 私たちは、被害者にも加害者にもならないために、人の命の大切さ、人の尊厳を尊ぶことを大切にしながら、平常心や理性をコントロールする術を磨く必要があると思います。

 開祖の教え「力愛不二」は、70年を経過してもなお、つくづく心にしみます。