「成長を感じる季節」

2024/03/01

ph_arai

合掌

一年で「最も大きな節目」と呼べる時期がやってきました。

何らかの卒業を迎えようとしている方、受験などでまだまだ緊張感が解けない方。このメッセージをご覧になっている方の中にも、さまざまな状況があることだと思います。それぞれの節目が、深く記憶に刻み込まれる有意義な体験となりますよう、心より祈念いたします。

人生における節目は、長く続く階段の、ひとつひとつのステップに似ているかも知れません。

努力して上った一つのステップ。その上にはしばらく平坦な道が続きますが、やがてまた新しいステップが見えてきます。面白いことに、それが見えてくるころには、苦労して上ったはずの以前のステップが、それほど大きなものと感じなくなっていることも少なくありません。

そんな風に、節目とは、自分の来た道を振り返り、その過程での成長を実感する機会でもあるように思います。

一日は、等しく誰にとっても一日です。

それを「一日」と言わず、「24時間」あるいは「1440分」「86400秒」と言うと、少し印象が変わるでしょうか。そして、これを365日に換算すると、相当な数値になることが判ります。

一日の中で有意義に過ごした時間も、ムダに過ごしてしまった時間も、一年後には365倍になって還ってくるのだということです。

たかが一日と思うか、されど一日と思うか。

わずかな時間の積み重ねに意義を見出し、変化を楽しみに努力する生き方。それが人間として真摯に生きるということだと思います。

一方、少林寺拳法の各道場では、別れの季節でもあります。長く共に修行してきた仲間が、進学や就職、転勤などで離ればなれになることは、言葉にしがたい悲しさや寂しさ、口惜しさを感じるものです。

ただ、我々が目指しているのは、拳士ひとりひとりの成長であり、その周りに豊かな社会が広がっていくこと。ならば、たとえ離ればなれになるとしても、その人の人間的な成長を喜び、新天地での活躍を願うべきなのでしょう。

この春もまた、何人もの拳士が、少林寺拳法で学んだことを活かすために新しい世界へと旅立っていくことを誇りに思い、その活躍を願ってやみません。

さぁ、それぞれが主役の新しいドラマが始まります。

一日一日を大切にし、成長した自分ドラマを、春からオンエアしていきましょう!