vol.31 初心(振り返れば)

2013/11/01

aun_i_vol31私が生まれ故郷の熊本県から神奈川県に出てきたのは1970(昭和45)年4月のことと記憶しています。従業員30人程度の材木問屋に就職したものの、こんなに都会の暮らしが楽しいものとは!! 3~4年は自分の住まいに帰ることも忘れ遊び回っていました。もちろんそんな生活でしたから職場も転々としましたし、給料では足りるはずもなく、際どい生活も強いられていました。ふと初心に返って見たとき、こんなはずではなかった、田舎から出てきたときは必ず自分の店を持つと決めてきたのに、もう一度頑張ってみようと再就職し仕事に打ち込みました。

そのころ、少林寺拳法の存在を知り、ある先生に紹介してもらい近くの道院の門を叩きました。本当に楽しく心和む日々、こんなによいものなら社会貢献できると思い自分も道院をつくると心に決めたのでした。

ところが働いていた会社は3年目に倒産したのです。もう働くところはない……ここが天から与えられたチャンスではなかろうか? そう思い少林寺拳法より一足先に自分で商売を始めました。苦難の道は続くのですが「石の上にも三年」、何とか商売も軌道に乗り、いよいよ次は道院設立が使命と思い、独立したのが88年2月のことです。

何事も初心を貫くと実現するもの、人生諦めたら、全てが終わりです。これからも全力で人生を送りたいと思います。
(大和一之関道院 中村 袈巳)

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