大学生拳士の皆様へ

2020/05/01

ph_arai

一般財団法人 少林寺拳法連盟

大学生拳士 各位

毎年4月は新年度の始まりで、入学、進級など希望に満ち溢れる時です。

しかし、今年は様子が異なっています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下における様々な活動自粛など、かつての日常生活が失われています。少林寺拳法におきましても、様々な大会、行事が開催中止となり、通常の修練さえも行えないようになりました。やむを得ないことではありますが、大変残念に思っております。

連日、テレビやSNSを開けば目に飛び込むのは、新型コロナウイルスのニュース。世界中がこの危機を乗り越えようと対応が進む中、皆さんは以前とは違う生活に窮屈さを感じているかと思います。

このような日々を過ごす中で、私は「強くて、優しくて、賢くなれよ」との、少林寺拳法創始者 宗道臣先生の言葉を思い出します。  宗道臣先生の言う賢くなれは、知識ではなく善悪を判断できる智慧のことです。今まさに、皆が協力し賢く行動することが求められています。

大学生拳士の皆さんには、改めて自己確立と自他共楽の理念を中心に据え行動してください。皆さん一人一人の行動が、大切な人の命を守ることに繋がります。そのためにも、自身がウイルスに罹患しない、感染源となり他人にうつさないことが一番大切なことです。大学生としての自覚を持った行動を是非お願いします。

現在、各大学においては休校、自宅でのオンライン授業、それに伴う部活動中止など、様々な苦難の中にいると思います。その中においても、新入部員を募る努力をしている皆さんのことを毎日にように耳にします。SNSを通じて行ったり、限られた環境の中で様々に工夫をされている様子を見ると、本当に心が熱くなります。

また各地区学生連盟の委員長はじめ幹部の皆さんの苦悩、努力も聞いております。今こそ自他共楽の精神を活かして、各地区において、各大学同士援け合える環境をつくり実行してください。なかなか声をあげられない大学もあると思います。ぜひ各学生連盟が主体となり大学の垣根を越えた団結力を発揮して欲しいと思います。

この状況が終息した後、未来への発展は大学生拳士の力が必要です。そのためにも、今、この時をどう考え生きていくのか、常に問い続け、将来を見据えてください。皆さんの力に期待しています!

宗道臣先生の言葉に「志あれば道は必ず開ける」があります。不運を嘆かず、苦難の中にあっても、事をなしていく強い気持ちがあれば、必ず道は開けます。必ず明るい未来はやってきます!

一日も早くこの問題が終息に向かい、皆さんが安心して修行を再開できる日がきますように、心より念願しております。

一般財団法人 少林寺拳法連盟

 会 長   川 島 一 浩