vol.33 少林寺拳法で育児と育自

2014/03/01

aun_i_vol33学生時代に二段に昇段してから仕事、結婚、育児とあっという間に20年が流れていました。育児に行き詰まっていたころ、娘と息子を道院に通わせるようになり、私の生活も大きく変わりました。始めたころ、息子は道院の隅で寝るか、泣くか、練習にはなりませんでした。二人の子供には発達障害があり、道院では他の子とコミュニケーションを取ることも難しく、また技を覚えるには時間がかかります。私の不安に反して道院長は決して焦らず、急がず、そして特別扱いせず、根気よく指導していただき、入門した当初と比べると見違えるほど大きく成長し、拳士らしくなりました。

子供の大きな変化は私にとって一大決心をするきっかけとなり、少林寺拳法の修練に復帰しました。すっかり体は固くなり、思うように体が動かず、技と名前が一致せず大変な日々です。しかし子供たちと同じ練習を行うことで、親子一緒に成長していることを実感しています。晴れた日、3着の道衣がベランダで風に揺れている光景を見ながら、何とも表現できない幸福感を感じています。

育児は自分を育てる「育自」ともいいます。まさに道院での修練を通し、子供も自分も成長させていただいていると思います。「時間がかかってもいい。ゴールは逃げない。続けていれば必ずゴールに到着する」――ゆっくり親子共に成長していきます。
(西陣北道院 澤田 千浩)

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