vol.34 惹き付ける力

2014/04/01


東京オリンピック開催を決めたのは、「相手に伝わるプレゼンテーションスキル」を意識したことだと報じられた。凛とした立ち居振る舞いに、その人の品格を感じたのは私だけではないだろう。外見は内面を表現し自分を効果的に伝達する力となることを実感した映像であった。



外見が自分を語るならそこに属する組織自体をも語る力となる。正しく美しい姿勢、メリハリのある所作は見る側の者に信頼性や安心感、期待感を与え、相手の瞬間の判断力に影響を及ぼし、人を惹き付ける効果につながったと考えられる。



「纓を猟り襟を正して危坐す」、これは身なりを整えまっすぐ座り身を整えると自然に「心」が整い、襟を正すことにより気が引き締まりきちんと対処ができるという例である。つまり外見が内面を刺激し変化をもたらすというわけだ。美しいものを見、格好よいものを好みセンスを磨き、装いに恥じぬように意識し襟を正す。年を重ねるほどにふだんから身なりに気を遣い、緊張感を持って生活することの大切さを感じている。外見は自分を映し出す鏡となるからだ。拳技の魅力だけでなく、そういった外見や内面の魅力を併せ持った指導者自身の人柄に惹き付けられて人が集まってくるのは当然のように思う。

(財務部 部長 宮本 公己)