vol.37
 感謝の心が傲慢な心を包み込む

2014/10/01

人間関係がうまく行かないときというのは、自分の中の「傲慢」な心が頭を覗かせているときです。



何事も慣れていないときに人は緊張して慎重になります。ミスしたとしても素直に反省したり、人からのアドバイスや注意も謙虚に耳を傾けることができます。しかし、慣れてきて徐々にミスをしなくなると自信が出てきます。自信は大切なことですが、それが「傲慢」になってしまうとマイナスの影響が出ます。「言われなくても分かっている」「それは私の責任じゃない」というように心の中に言い訳が芽生え、反発心が生まれてきます。「初心」を失うと、感謝の気持ちがなくなるからだと思います。



また、金剛禅の教義を学び、いろいろなことを知識として学び、知識としては分かったつもり、できているわけでもないのに頭でっかちになって、長上を敬わなくなったり、後輩を侮る「傲慢」。



“後輩を侮らず”“下問を恥じず”、というように、部下や後輩から素直に学ぶ姿勢を持っている人は、傲慢な心を抑え早く成長できます。

傲慢な心が頭を覗かせているとき、感謝の心が傲慢な心をリセットしてくれるものと信じています。

初心を忘れず、常に謙虚な気持ち、感謝の心は持ち続けたいと願って、修行に励みます。

(宗務局長 中川 英昭)