• >
  • vol.25 教えを生かす

vol.25 教えを生かす

2012/12/01

我々門信徒にとっての「道」とは何か。

私は金剛禅(開祖)の教えを日常生活や人生に生かすことだと考えております。しかし、私も含め我々は本当に日常生活や人生に生かしているのでしょうか。

まず金剛禅のあり方について確認します。

金剛禅の教えとは力(理知)と愛(慈悲)。思いと行動。それが一体の状態こそ、人間の考えや正しい行動のあり方であるという「調和の思想」なのです。人間が調和した状態を保つには、基本理念としての「人、人、人、すべては人の質にある」を念頭に置き、行動の原点は「釈尊の正しい教え」を実践するということです。

そして「半ばは自己の幸せを、半ばは他人の幸せを」に照らし、「よいことを進んで行動する」ということが金剛禅のあり方の基本であると思います。

また、開祖は原点に帰ることを講習会の中で、「すべての道院長、そのやる気の濃淡の差はあってもほとんど同じ原点から出発しながら、いつしか惰性に流され、あるものは脱落し、あるものは名利に溺れるなど、原点を風化させている原因がどこにあるのだろうか。釈尊の臨終に際しての最後の言葉は『弟子たちよ、すべてのものは移ろい行く、怠らず努めよ』であったという。答えはまさにここにある。とりわけ移ろいやすいのが人の心であるから、せめて、志の根源を見失わないために、常に怠らず努めるしかないのである」と教示されております。

我々は本当に金剛禅(開祖)の教えを日常生活や人生に生かしているのか、反省すべき点も多いのではないでしょうか。

東洋古来の魂魄論では、魂はダーマの分霊としての良心と信じ、魄は自我、即ち本能的な意欲や情動を起こす悪い心とみています。我々は自我(悪い心)を抑制し、人が霊止として働きを全うするように日々修行していることも忘れてはならないと思います。

次に行動のあり方について考えてみたいと思います。二つの例を紹介します。
例1:嘆く人生より楽しみの人生3本柱
・「主体性」人間は人頼りにすることが多いが、目的・目標を明確にし、人・物・金の活用を見いだせる人は主体性のある人間といえる。
・「現状打破」現状に甘んずる姿勢は現状維持であるが、進歩発展を目指す姿勢は好奇心、向上心旺盛なことで、それは創造性を高めることにつながる。
・「協調性」人間には「食欲、睡眠欲、性欲、物欲、名誉欲」の五欲があり、特に心の欲である「物欲、名誉欲」、これとどう向かい合うかによって自己中心的な人間となるのか協調性のある人間になるのかが決まる。
~能力開発総合研究所~

例2:一人ひとりが当事者意識を持つ
「あなたの国があなたのために何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるかを問うてほしい」~1961年、米国のケネディ大統領就任演説~

我々は今一度、この社会のために、職場のために、また組織のために何ができるのか考えるべきである。「やらされている」「とりあえず従っておこう」という受け身ではなく「今自分は何をやるべきか」という強い思いが行動につながり、「道」を力強く歩んでいく原動力になると考えます。
(大村西道院 道院長 坂口 勝浩)

道では
投稿大募集!受付メールアドレス  aun@shorinjikempo.or.jp