vol.36
 日々是修行

2014/08/01

金剛禅の修行は日常のさまざまな出来事の中で実践してこそ、その価値があり実感できるものである。



しかし、私は長年そこに気付かず、金剛禅の修行を分かったつもりでいた。そして、金剛禅の修行が日常と切り離されたものになっていたように思う。そのような状態であるので、問題や課題から目を背け、自分を都合よく肯定し、自分を知ることから逃げていた。

しかしある出来事を通して、自分に気付こうとしない日々は、自分の我を強めているだけで、非常に惨めな生き方につながるのだと気付いた。そして、この気付きを自己変革につなげていくことが、自らを高め、よりよい人生を創っていく修行の道だと考えるようになった。



心を静め、自分と向き合う時間を持ち、そこで自分の現状に気付き、いかに次の行動につなげていくかが重要なのである。その修行を実践する場がまさに日常生活であり、社会であり、自分が置かれているあらゆる環境だと思う。



現在の自分は、過去に積み重ねてきた行いの結果であり、未来はこれからをどう生きるかによって変わるもの。日常生活の中で自らの可能性を信じて生きることに大きな価値があり、金剛禅の修行の醍醐味がある。これからも精進していきたい。

(宗務部 部長 中山 元宏)