vol.22 祝・食堂の再出発

2012/05/01

aun_i_vol22昨年3月11日、東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた陸前高田市に、神奈川県の炊き出し隊が到着したのが翌4月のことでした。

神奈川大和道院の人脈で結成された炊き出し隊は「ラーメン隊」と呼ばれ、「温かい料理とともに私たちの気持ちを届け、被災者の方々を勇気づけ、少しでも心を癒やしていただきたい」という「思い」を形にする活動でした。ラーメン隊のお手伝いには陸前高田道院の拳士と保護者会の方も参加していましたが、その中に拳士ではない地元の方もいました。

陸前高田駅前で飲食店を営業されていた二人の熊谷さんです。一人は大衆酒場を、もう一人は中華食堂を営業していましたが、お二人とも津波で店を流されてしまいました。

その方たちがラーメンの仕込みや丼の盛りつけをお手伝いしているうちに、津波に店が流される前のように、再度店を出したいとおっしゃるように変わっていきました。それを聞いたとき、ラーメン隊のもう一つの使命、「被災者の方々の自立への支援」が伝わったのだと思いました。

彼らは年が明けた2月、陸前高田市の今の商業地にダブル熊谷で一つの建物を建て、大衆酒場と中華食堂を営業再開しました。早速私もお祝いに行ってきました。

ラーメン隊の活動がこのように地元の方の起業のお手伝いとなったことに、心から敬意を表します。本当にありがとうございました。
(岩手東山道院 伊藤昇市)

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