vol.39 笑顔で「ありがとう」と言える一年に

2016/01/01

新年明けましておめでとうございます。
2016年を、皆さまと共に活力ある年にしたいと思います。
昨年もいい出会いや、人生にいっぱい刺激を受けた一年でした。
その中でも、親から子に代々受け継がれる文化(日々の習慣)をとても愛おしく感じることが多かったように思います。
戦後70年で日本は大きく変わりました。急速な高度経済成長によって生活は便利で豊かになった反面、家族が助け合って家を成すという感覚は少なくなり、生活様式も食文化もどんどん変わっていきました。
私が小学生の頃、給食にプロセスチーズが出されるようになりました。当時はチーズってなに?という人も多く、またこんなくさい石けんみたいなもの…と食べる人は少なかった時代でした。たまたま大陸生活の長い父親の影響で、物心ついた頃からチーズを食べていた私は、食べたくない友達からチーズをもらって持ち帰り、愛犬と一緒におやつに食べていました。それから50年近く経って、今ではチーズを食べない日本人はほとんどいないのではないかと思います。チーズそのものは食べずとも、ピッツアは大好きという人が多くなりました。世界中の色々なものが、どこでも食せるという便利な世の中ではありますが、日本食は家庭ではなくお店に行かないと食べられないと思っている若者が増えていることに驚きます。
お正月は一年の始まりであり、家族が揃って新しい年を迎えられたことをお祝いする大切な行事です。形は地域や家それぞれの個性があるのでしょうが、たとえ家族が離れて生活していても母から受け継いだそのスタイルは守りたいと最近つくづく思います。
「自分が何か他人(ひと)にしてもらったら嬉しいけれど、自分が他人に何かしてあげて喜んでもらったら、それはもっともっと嬉しいんだよ」と少林寺拳法創始者である父は私によく言って聴かせました。だからこそ強くなるだけじゃなく優しくなれ!賢くなってひとの役に立て!と。親子の関係も弟子たちとの関係も、それが基準だったように思います。”幸せ”の基準はひとに喜んでもらえることかもしれません。
年末に、昨年始めお母様を亡くされた友人から心が温かくなる素敵なカードが届きました。「笑顔でいることが、ひとを一番幸せにするんだよ」その教えを守り今年も笑顔で締めくくりたいとメッセージを添えた、お母様のいない家族写真でした。ご家族全員の穏やかな笑顔は、寂しさよりいっぱいの幸せを運んでくれました。家族にも周囲にも、笑顔で「ありがとう」をいっぱい言える一年にしたいと思います。