vol.16 縁

2011/05/19

aun_i_vol16生後6か月の孫(次男の息子)がベッドから転げ落ち、大腿骨骨折で2週間入院、ギプス1か月という大怪我をしました。そのとき、診てくださった大学病院の先生が、なんと、かつて一緒に道院で修行していた吉川(愛称を込めて呼び捨て失礼)だったのです。

私はもとより、長男と次男も小学生のころから倉田道院長の大森道院でお世話になりました。それから20数年、現在私は縁あって村上先生の東京羽田道院を引き継ぎ、息子たちも別の道院へと移っています。小学生から高校直前まで、吉川と次男は組演武を組み、時には東京都大会で最優秀を取った仲でした。次男の話では、練習時よく悪戯をして私にひっぱたかれたというのですが……私は全く覚えていません。20数年前、医者になりたいので少林寺拳法を辞めますと別れたときは、もう会うことはないだろうと思いました。

それが運命の出会い。昔の少年拳士がいつの間にか整形外科の先生になっていたとは。「少林寺拳法から離れても思想は忘れていません」と、泣かせるではありませんか。親の不注意で下手すると後遺症が残る足の怪我を「私に任せてください」と力強い言葉で励まされ、親身になり面倒を見てもらっています。

この文章が掲載されるころには、孫も退院し、きっと吉川と昔を懐かしみながら私の家族と楽しいお酒を酌み交わしていることと思います。
(東京羽田道院・白尾國宗)

一期一笑では
投稿大募集! 道場や拳士のちょっといい話を募集しています。
受付メールアドレス  aun@shorinjikempo.or.jp