vol.39 言葉の力

2015/03/05

山中伸弥博士(京都大学iPS細胞研究所)の研究人生を励ました故事成語が「人間万事塞翁が馬」だと書かれたコラムを読んだことがある。

これは飼っていた馬が逃げ、落胆したが雌馬を連れ帰り喜んだ。しかし今度は息子が落馬し骨折し怒ったが怪我のおかげで徴兵を免れた。人間の人生は幸・不幸が予測できないためいたずらに一喜一憂してはならないという戒めだ。

博士も研究においての成功は、一喜一憂せず、ビジョンを明確にし、失敗や挫折をバネに努力を惜しまないことが最も肝心な要素だと述べていた。いわば、天才故に成功したのではなく、言葉に支えられ、努力によって天職となり天才になったと。

言 葉には力があり、人を成功に導くきっかけや信念になりえる。私も開祖や道院長の人間的な魅力はもちろん、開祖語録や数々の法話に触れ、何度となく心を動か され感動し自信と勇気を頂いてきた。今も変わらず初心に戻れるのは、一喜一憂することなく深く心に響いているからである。今改めて、修行者として信念を持 ち、生涯を懸け目標に向かって努力していかなければならないと背筋が伸びる思いでいる。

「元旦の計は一年の計」、年の初めに開祖の言葉をじっくり思料し、よいスタートとしたい。
(財務部 部長 宮本 公己)