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vol.31 魂に負担のかからない生き方

2013/12/01

最近、遺伝子の解明がかなり進んでいるようである。遺伝子の配列で病気になる可能性が分かるまでになってきた。ハリウッドスターのアンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん予防のために、両胸の乳腺切除の手術を受け世界中の関心を集めた。乳がんになるリスクは87%とのことで、残りの13%は食生活などの生活習慣やストレスであるとのことである。

私なら(もちろん私が女性なら)残り13%もあるのだから食生活に気をつけ、定期的に精密な健康診断を受け、兆候が認められた時点で乳腺切除の手術を受けてもいいのではと考えるだろう。

また最近、女性の結婚年齢の上昇がみられ出産の高齢化が進んでいる。母親の年齢が高まるに従い生まれてくる子供の奇形の割合も高くなるそうである。今、身ごもっている子供が正常な子なのか、奇形なのかについても分かる時代になっている。そんな事情もあり若いときの卵を凍結保存し、結婚後に奇形の防止のためその卵を使うということも検討されているようである。

これも私ならしたくない。これは私の論理(私の主観的な考え)であるが、若い時点とある程度年齢を重ねた時点とでは、DNAに何らかの情報が加わってくるのではないか。つまり、ある程度DNAに今までの人生や克ちえてきた情報が加わってくると思うからだ。高齢になればある程度リスクもあるが、プラス要因もあるのではないだろうか。

7月に行われた参議院選挙で自民党が圧勝し、民主党が惨敗した。この選挙をにらみいろんな動きがあった。民主党政権下で大臣まで務めた方などが、離党し無所属に。また、自民党から副大臣まで務めた方などが推薦を受けられず離党し、他の党へ移籍するといったケースが今回かなり多く見られた。

こうした選挙に勝つためだけに離党や他の党に移籍することは、自分の心と有権者そして今までお世話になった党所属の議員の方々に恥じないのだろうか。私はこういった風見鶏的な行動はとりたくはない。やはり政治家になる動機や初心を大切にしたいものである。

一方、金剛禅教団へと目を向ければ、今、全国の道院では専有道場の充実に向け進んでいる。もちろん、民間の施設を借り受けてもかまわない。

私は、28年前の新設講習会で、易筋行と鎮魂行・法話そして入門式やその他の行事を行うには専有道場以外にないと確信し、本部道院を参考にして専有道場を建設した。私は、礼拝施設を有する専有道場で日々の修練と宗教活動を行い、人づくりをするところが道院だと確信している。

大変失礼な言い方ではあるが、現在、専有道場を充実させていない道院については、ただ単に専有道場の充実を先延ばしにしてきたにすぎないのではないだろうか。この際、何としても道院設立時の初心に立ち返り、専有道場を充実させ、本来の道院としての活動をお願いしたい。

いろいろと事例を挙げたが、事例の生き方は心(魂)に負担がかかるのではないだろうか。金剛禅がどうのこうのといった問題ではなく、人間性の問題だと私は思う。

私は、人を裏切らず、初心を忘れず、一貫性のある、心(魂)に恥じない生き方をしたい。それが魂に負担のかからない生き方ではないだろうか。
(宮城塩竈道院 道院長 鎌田 礼二)

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