2019年春号 会長室から~2019年度 事業計画~

2020/01/17

2019春号会長室から(PDF原稿はこちらをクリック)

会長室から ~2019年度 事業計画~ 担当/大原 一純

◆2019年度、会長の考える社会とのかかわりについて教えてください。科学技術文明時代とも言われた平成時代、日本は世界第3位の経済大国で、「技術立国」を標榜しました。その先進技術や各種サービスは、世界の平和と福祉など人々に役立つことが大切で、今後の若者に託されています。 世界では、人口増加や環境資源、政治経済、テロなど。日本では超少子高齢化による福祉制度破綻、市場創出や雇用、経済の衰退、教育・人権、震災などの諸問題に直面しています。このような時代において、人の命や尊厳を大切すること、その根本である精神と肉体を養いながら、人々が互いの異なる違いを認め、調和を大切にすることが求められます。政府は、時代に求められる力として、様々な問題を積極的に対応解決する力や、思いやりを持って行動できることなどを「生きる力」として、学習指導要領に定めています。少林寺拳法は、創始当初より、「護身練胆、精神修養、健康増進」、「半ばは自己の幸せを、半ばは他人の幸せを」を掲げ、「社会に役立つ人づくりを通した国づくり」に取り組んできました。国の未来を担ってゆく若者はいつの時代も国の宝であり、一財連盟は、若者が力強く生きるための体力と精神力を養い、社会貢献に繋げていけるよう、また、中高齢者層の健康寿命促進や豊かな人間関係創出、さらには世代間の交流を念頭に、各種事業を推進します。少林寺拳法の指導者の使命である「人づくりによる国づくり」が、言葉倒れにならないように、常にこの原点を確認しながら、自惚れでない自信や正義感、慈悲心、行動力を持った人財を育成したいと思います。

◆3ヶ年方針( 2018年~2020年)をお聞かせください。

 開祖は、「自分の可能性を信じ、他人の幸せも考えられる…そんな社会に貢献できる人が一人でも増えれば、この世の中は今よりきっとよくなるに違いない」と、幸福運動を熱く語られました。幸福運動を着実に展開してゆくためには、少林寺拳法が目指す「人づくり」の人間像を明確にして、その教育方法をより効果的にしてゆく必要があります。少子化が加速する中でも活気ある支部はたくさんあり、その理由は、支部長や幹部の魅力、支部の雰囲気や楽しさ、充実感にあります。そこで、教えと技法の研鑽はもちろん、魅力ある指導者を目指し、〝指導技術を学ぶこと”が必要不可欠だと思います。社会変化を捉え、未来を創造しながら、現役指導者のモチベーション向上とともに、若手・女性指導者の育成を行うことにより、会員(保護者)の満足度向上を図り、社会で役立つ組織づくりを推進したいと思います。また、一般の方々にも少林寺拳法の本質をご理解いただき、その特性に触れていただく機会を増やし、部内外を問わず世代間の交流や生きる力を養うため、少林寺拳法グループはもちろん、地域行政、他団体ともコラボしてゆきたいと思います。

◆2018年度の重点課題の取り組み結果を教えてください。

(1)研修会、講習会、合宿・指導者、幹部、学生、保護者に困っていること、欲していることなどをアンケートしながら、少年部や学生など、指導対象を明確にした研修内容を企画しました。

・部員の継続率向上や新規入会者減少に悩む指導者のために、「魅力ある指導者とは」、「活気ある支部づくり」のテーマに基づき、コーチング基礎の講義や班別討議を行い、参加者の効果的体験な事例を、受講者や全支部長と情報共有しました。

・護身の技術として有効な応用技法を安全管理とともに紹介し、学んでもらいました。

・〝暴力、体罰、ハラスメント、の根絶”について、具体的事例・発生要因、予防策を確認しながら、〝発達障がいの特性を持つ児童”の指導法例を紹介しました。

(2)全国レベルの大会・地域性や他団体とのコラボレーションによって、参加者や参観者が楽しめるような、少林寺拳法の特性を生かした催しを促進しました。特に、群馬県連盟の皆さまには絶大なご支援をいただきました。

(3)その他  左記内容を実施いたしました。

・中学校武道授業促進に向け、スポーツ庁や日本武道館に支援をいただき、研修会を刷新。全都道府県連盟が具体的目標に向け稼働。

・立合評価法のルール統一と審判員精度向上、並びに防具開発。

・都道府県連盟・各連盟、委員会、全指導者のご協力により、主に大会と会報などの効率化と経費削減により、一財連盟の財政改善に目

途をつけました。

◆2019年度の重点課題はどのようなものでしょうか。

(1)指導技術の向上と共有化

①時代に即した「より良い指導者像」と、「指導技術の向上計画」の確認。

②指導者用の「支部運営と指導技術の向上」参考資料の提供。

③暴力、体罰、ハラスメント、薬物使用の根絶促進、安全管理の徹底。

(2)時代に即応した組織体制

①指導者の負担軽減(複数指導者体制、副支部長制度、事務手続き削減、権限委任)。

②学生指導者体制の見直し(支部長資格を持つ監督と若手学生指導員の研修充実)。

③若手、女性、専門性を持つ指導者の発掘と育成。

(3)普及活動の促進

①学域、職域の普及促進。特に警察支部の開設。

②入会、継続、復帰の会員のため、魅力ある指導者&活気ある支部づくりの促進。

③小・中学生の継続率向上、中学・高校のクラブ増加のための教員支部との連携。

④中学校武道必修化の採択校の促進。

⑤健康クラブや会員の増加のため、クラブリーダー研修と会員交流会の実施。

⑥中高齢者層の身体を壊さないソフトな修練指導法の紹介。

⑦会報のリニューアルと活用促進。

⑧行事の参加者や参観者に、楽しんでもらえるとともに、少林寺拳法の本質や特性について興味関心を持ってもらえるよう企画を行う。

⑨立合評価法のルール統一と審判員精度向上、並びに防具開発。

⑩支援者、賛助者の獲得促進。

(4)公益事業

①少林寺拳法体験教室

②少林寺拳法健康プログラム体験講座

③一般の方にも、宗道臣デーや支部の地域活動の一環として楽しんでもらう機会を促進。

 ありがとうございました。