2020年冬号 LEADER’S NOTE 

2021/01/01

実践から学ぶ、 生きた知恵  

『学び続ける』ための 仕組みづくり 

・新年あいさつ 

2021年新春を迎えるにあたり、謹んでお慶びを申 し上げます。また、平素より「会報少林寺拳法」へのご 理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。今後とも、 誌面内容の充実に取り組んで参ります。 さて、昨年を振り返ってみますと、新型コロナウイルスに翻弄された一年であり、日本のみならず世界中が激 震した年でありました。とりわけ、接触・対面による濃密な人間関係の構築と技法の旨としている少林寺拳法は、深刻な影響を受けました。 支部長、幹部の皆さまにおかれましては、新型コロナウイルス感染症への予防策を講じながらの修練は、大変なご苦労であったと存じます。また、都道府県連盟をはじめ、各連盟での大会開催や各種行事を、オンライン化等の工夫を凝らし、運営をしてくださった全ての皆さまに、感謝と敬意を表します。 安全・安心に、少林寺拳法を楽しめる修練形態の確立 は、少林寺拳法界全体にとって本年の急務であるとともに、永続的なテーマになると思っております。 

・コロナ禍の2020年を経て ~実践で学ぶ、生きた知恵~  少林寺拳法連盟がコロナ禍から学んだこと

2020年は、コロナ禍による様々な制限が起きた反 面、少林寺拳法連盟に所属する各連合体の心強い団結力を見ることができました。中学校連盟や高校連盟では、 動画審査や発表形式によるインターネット大会の開催や、全日本学生連盟による、新型コロナウイルス感染防止を徹底的に心掛けた全日本学生大会が行われました。 また、支部長・監督研修会では、資料・動画配信を行い、 各所属長の先生方には在宅での研修を行っていただきました。 このように、先生方だけでなく、学生も前向きに物事 を捉え、各種行事の開催運営に携わってくださったこと は、大きな成果であり、それを実感いたしました。 これらに実証された様に、これまでの少林寺拳法の世界では、タブーであったり、異端とされてきた事の中に、 この難しい時代に対応するためのヒントや活路がある かも知れません。それらを踏まえて、今年はこれまで以 上に、当連盟で活動する指導者の皆さまや、職員の自由 な発想に耳を傾けるべき一年であるとも自覚しておりま す。新たな価値の創造と可能性の模索に対して常に心を 開き、関係各位と一丸となって少林寺拳法の振興普及に 邁進する所存です。 

・2021年の抱負 ~辛抱強く、根気よく~

私が会長に就任してから5年、「指導者の魅力づくり」、 「活気ある支部づくり」をテーマに、指導技術の向上に取り組んできました。拳士・保護者・各指導者の皆さま の意見に傾聴し、熱心に指導する指導者と拳士間の常識感に大きなズレがあることが分かりました。 そこで、指導者には、少林寺拳法の目指す「人づくり 像」の再確認と、「常識の更新」、「体罰・ハラスメント 防止」、「指導技術の向上」を呼びかけ、指導者、学生幹部の言動改善を促しました。今後も、指導者の情熱に加えて、変化する常識を更新しながら、魅力的な指導者であり続けるために「学び続ける」ための仕組みづくりを行ってまいります。 また、集合型の行事開催を見直し、近年の世情に合っ た、オンラインによる各種行事の運営など、「生涯修行」を前向きにできる少林寺拳法を目指して、活動を推進いたします。 常に変化が起こる昨今の世情にあって、組織として成長を止めることは出来ません。動き、変化するしかない のです。先達の諸先輩方の様々な苦労があって今日があり、その経験を積み重ね、紡いで行くことが、次代への 最良のバトンタッチとなると思っています。 そして、少林寺拳法を修行する一拳士としても、少林寺拳法の様々な可能性を模索し、修行に勤しんでいきたいと思います。 

川島 一浩 

一般財団法人 少林寺拳法連盟 会長 少林寺拳法 正範士 八段 

公益財団法人日本武道館 理事 日本武道協議会 常任理事・特別顧問 青少年育成香川県民会議 顧問