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vol.20 道院で修行した心を忘れずに

2012/01/01

aun_i_vol20北海道大学で行われた七帝戦に、審判として参加したときのことです。

審判席にいる私に一人の拳士が声をかけてきました。「小さいときに札幌あかしや道院で練習していましたKです。今、東京大学の少林寺拳法部で練習しています。今年3年生になりました。お元気でしたか?」。

もうびっくりです。小さかったK君が……。K君はどちらかというとおとなしい子でしたが、今は少林寺拳法部の幹部として皆を引っ張っていく頼もしい存在になっていました。

ご両親の転勤で北海道を離れて以来、約10年ぶりの再会です。聞くと、小学校からずーっと、中学、高校、大学と、少林寺拳法を離れず修行を続けていたとのこと。続けさせてくれたご家族の方、指導された先生の温かさに感じ入りました。

「小学校のときに初めて札幌あかしや道院で少林寺拳法に出会い、以来、道院で修行したときの心を大事にしてきました」という言葉に胸が熱くなると同時に、私はきちんと教えを伝えたのだろうかと、冷や汗をかく思いをいたしました。どんなときも教えを伝えていく重要性をひしひしと感じさせられました。

さっそく道院で幹部の川渕千英子拳士にこのお話をいたしましたところ、私と一緒になって喜んでくれ、その笑顔にさらに心が温かくなりました。少林寺拳法は人を大事にする「教え」を自然に備えていることを実感した出来事でした。
(札幌あかしや道院 阿達美恵子)

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