vol.72 あわら東道院 道院長 松田典夫

2020/09/01

あわら東道院 道院長 松田典夫
あわら東道院 道院長 松田典夫

思わぬ一言が設立に
ある日、同い年の幹部拳士が、「道院を設立するので認定研修会に申し込みます」と言われたので、「すばらしい、頑張ってください、自分も(いつかは)道院を出したいと思っているんですよ」と話したことがありました。すると、その数日後、当時の教区長から電話があり、急遽面談が実施され、所属していた鯖江北野道院の濱谷典明道院長からも賛同をいただき、あれよあれよという間に設立することになりました。
しかし、今から考えてみると、武専で指導されている道院長が魅力的であったこと、同期の拳士が道院長や支部長になっていることに刺激を受けていたこと、そして、何よりもっと福井県を盛り上げようという熱い思いが心の奥底にあったからではないかと思います。

“支えてもらっている”という実感
道院設立には、多くの人が支えとなってくれました。
まず、設立時には専有道場を共有で使わせていただいた丸岡南道院の小嶋鉄雄道院長などの協力者のおかげでなんとか道院として形にすることができました。
そして、なかなか入門者がなく困っていたときは、職場の元上司が、息子さんに武道をさせたいということで、見学・体験入門に来ていただき、息子さんと娘さん、ご本人、さらには息子さんのお友達までも入門してくれました。また、私の姪が入門してくれたのをきっかけに、今では私の両親も道衣を着て修練に励んでいます。
専有道場は、6年ほど探してやっと見つけた物件の空きスペースに建設しました。道場のこだわりとしては、錫杖の組演武ができるよう天井を高くするようお願いしたら、工務店さんは、泣きを入れながらも無事に完成させてくれました。
この方々がいなければ、現在のあわら東道院はなく、「自分はこれだけ多くの人たちに支えてもらっているんだ」という感謝の気持ちと、支え合うことの大切さを改めて思い、頑張っていく決心ができました。

興味を持つと、楽しく、明るくなる
道院では、子どもから高齢者までが一緒に修練をしていますが、とにかく一人ひとりに話しかけるように心がけています。いろんなことに興味を持ってもらいたいと思っているので、法話では色々な話題が出せるように考えています。興味を持って熱中すると真剣にもなり、結果、楽しく、明るくなると思っています。
今後は、イベントを通じて、道院活動の拡大を進めていこうと考えています。また、災害ボランティアに個人で参加するだけでなく、チームで参加するようなことをやってみたいとも思っています。

道院長になろう!仲間が必ず力となってくれます
道院長としての活動は、ほとんど日常生活の一部になっています。
特に、県の事務局の業務をするようになってからは、朝起きてから出社するまでの間に、各種手続き、処理、返信をするなど、時間の使い方を工夫するようになりました。
また、専有道場を設置したおかげで、場所を借りたり、荷物運搬をしたりする時間が省けるようになりました。
人の性格はそれぞれ違うのと同様、道院長としての生活スタイルは様々です。しかし、目指す方向に変わりはありません。
これから道院長になろうとされる中で、もし不安に思う事があるということは、リスクに対する感性が働いているということですから、具体的な対策が取れるということです。いろいろな方に相談して課題を明確にしていけば、必ず力となってくれる仲間ばかりですから、解決できるはずです。
幹部拳士の皆さん、道院長となり、更なるご活躍をお祈りいたします。