こうありたいと思う自分に近づくための一歩
2024/05/10

合掌
にわかに暖かくなり、仕事も趣味も活動的になる季節がやってきました。春という季節柄、何か新しいことを始めようとしている人も多いことでしょう。新たに少林寺拳法を始めた皆さんには、心からの歓迎と励ましのエールを贈りたいと思います。各道場には経験豊富な指導者や先輩たちがいて、皆さんが「こうありたい」と思ったことを全力でサポートしてくれます。日々の努力の積み重ねは、間違いなく自分自身に良い影響として返ってくるはずです。
「こうありたい」と思った自分に「なれる」ことを信じて、日々の修行を楽しんでください。さて、目標に向かって行動し続けるうえで大切になるのが「健康」です。皆さんは、ご自身の健康に関することで、何か心がけていることがありますか?
私は、特に食生活に長年注意を払ってきました。ある年の健康診断の結果を見て思うところがあったからなのですが、以来、食事をするタイミングと量、栄養バランスに気をつけるようになりました。口にするものは原材料をよく調べ、天然由来のものにこだわるようにしています。食事以外にも、健康に関わる日々の行為はたくさんあります。睡眠、入浴、歯磨き、運動…。気をつけるポイントは人それぞれかも知れませんが、多くの人が何かしら留意しながら過ごされているのではないでしょうか。
しかし、どのようなことにしろ、健康に留意するうえで共通して大切なことは、「自分を知る」ということのような気がしています。今の自分の状態を正確に知って、足りない(足りなくなりそうな)部分を補ったり、手当てしたりするのが健康増進だと思うからです。
この春から生活環境が大きく変わった人も、慣れたり落ち着いてきたりしたこの時期に、自分の生活をよく見つめてみることが重要です。一日の生活リズムを書き出してみたり、食べているもののバランスをよく観てみたり―。そうして、偏りや不足に気づくことができたなら、それが健康増進を始めるチャンスとなります。
健康に関する気づきを得たなら、その中からどれか一つ、取り組んでみる課題を絞ってみましょう。健康増進の取り組みは一朝一夕に完了することのできないものばかりです。まずは一つの気づきから、腰を据えて解消・改善に取り組むのが吉です。
具体的な対策については、超情報社会の現代ですから、いくつもの選択肢があります。ただ、中には迷信のようなものやデマも見受けられます。よく情報を吟味し、理屈や原理に裏付けのある、自分が最も納得できるものを選択すべきでしょう。
そこから先は継続する意志の力が問われます。健康増進は「習慣化」への道でもあります。不健康の象徴として「生活習慣病」という言葉があるように、健康へ転換していくということは、悪い習慣を改め、良い習慣を継続することに極意があるということです。確実に習慣化するためにも、やはり取り組む課題は一つに絞った方がいいのです。
自分を知り、適切な対策を選択して習慣化した結果、健康になれた…という事実は、「こうありたい」と思う自分の姿に一歩近づけたことを意味します。頑張ればできる、という自信にもつながることでしょう。皆さんの健康増進が一歩進んで、活発になり始めたそれぞれの仕事や趣味が、よりよいものとなるよう願っています。
結手