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Vol.125 平和への願いと祈りと互いを思いやる心

2025/08/01

osawa

合掌
 8月になりました。
 今年もまた、終戦記念日を迎える月となりました。私たち日本人は、この80年間、戦争のない時代を歩んできました。それは、かつての戦前・戦中を生き抜いた方々が、命をかけて礎を築き、戦後の復興に身を捧げ、「日本を良くしたい」「二度と悲惨な思いを繰り返したくない」という強い想いを持ち続けたからにほかなりません。
 少林寺拳法は、そのような歴史の中から「二度と戦争を起こしてはならない」という開祖の強い想いから、人づくりによる国づくりを目的として生まれました。そして平和で豊かな社会づくりを実現するために、開祖の意志を引き継ぎ、一緒に邁進する道院長を一人でも多く増やしていこうと金剛禅教団の理念でうたっています。
 近年、全国各地で頻発する地震を始めとする天災等の局面において、門信徒の皆さんが地域のために力を尽くす姿が各地で見られます。それは、少林寺拳法の修行が単なる拳技の修得にとどまらず、「半ばは自分の幸せを、半ばは他人の幸せを」という自他共楽の精神が、日々の修練の中で着実に養われていることの証です。
 現代社会には、欲望や利己心が前面に出てしまう場面もあります。しかし、だからこそ私たちは、自らの欲望を律し、霊性を高め、人間本来の使命を自覚して徳を育み、よりよい人間関係と調和の取れた社会を築いていかなければなりません。
 私たち人類は、困難があるたびに何度でも立ち上がり、希望を持って未来を切り拓いてきました。日々の修行はその力の源泉となります。次の1年も平和であり続けるよう、一人ひとりがその自覚と責任をもち、自らの手で未来をつくっていきましょう。
 今月も猛暑が続くことが予想されます。どうか修練によって免疫力を高め、体調を整えながら、元気に日々を過ごしてまいりましょう。
合掌再拝