Vol.129 つながりの中で一年をふり返る
2025/12/01
合掌
師走に入り、一年の終わりが近づいてまいりました。皆さまにおかれましては、公私ともに忙しくお過ごしのことと拝察いたします。今年もそれぞれの道院やご家庭、職場において、金剛禅の教えを身心に刻みながら歩んでこられたことでしょう。
先日開催された「少林寺拳法全国大会 in かながわ」は、金剛禅の行事そのものではありませんが、少林寺拳法を通じてつながる仲間の素晴らしさを改めて感じる機会となりました。出場する拳士だけでなく、警備や会場運営など、表に出ない多くの役割を、世代をこえた拳士達が担ってくれていました。自分は演武に出ないのに、誰かのため、大会成功のために走り回る――その姿はまさに「自他共楽」の教えが生きている証であり、少林寺拳法の仲間の尊さを実感させてくれるものでした。
12月は、一年を静かにふり返る大切なときです。この一年をふり返って、「人のためにどんなことができたか」「どのようなものを周囲から与えられたか」、そして「自分はどう成長できたか」を、ぜひ自らに問いかけてみてください。どれだけ道院に通ったかという回数だけでなく、その場その場でどれだけ真剣に相手と向き合い、自分自身と向き合ってきたかが、成長の度合いを決めていきます。大会や講習会、日常の道院修練や家庭、職場で、今年一年、自分は周りの人々とどのように関わり、どんな影響を与え合ってきたか――この機会に、ふり返っていただきたいと思います。
一日はあっという間に過ぎていきますが、「今日は人のために何ができただろうか」「明日はどんな自分でありたいか」とふり返る習慣を持つことで、明日への一歩は大きく変わっていきます。一年の締めくくりとなるこの一か月を、「もう遅い」とあきらめるのではなく、「まだできることがある」と前向きに受け止めて、大晦日まで一日一日を大切に積み重ねてまいりましょう。
これからいっそう寒さが厳しくなってまいります。どうか身心ともにご自愛のうえ修練を励行され、喜びと希望をもって新しい年をお迎えください。来る年もまた、ともに金剛禅運動に邁進していけることを願っております。
合掌再拝

