Vol.131 開祖の求めたものを求めて
2026/02/01
合掌
年が明けてから早1か月が過ぎ、2月になりました。
開祖が1911年2月10日にこの世に生を受け、今年で生誕115年となります。私たちが少林寺拳法と出会い、師や仲間との縁を得て、今日も修練を続けられているのは、開祖の志と、それをつないでこられた先輩方のおかげにほかなりません。あらためて感謝の念を深め、開祖の願われた「人づくりによる国づくり」を胸に刻む月といたしましょう。
戦後80年を過ぎた今も、世界から争いが消える気配はありません。領土や利害、名誉や富、形は変わっても、根は「自分さえよければ」という心にあります。だからこそ開祖は、技を磨くだけではなく、まずは人の心の改造が必要だと説かれ、少林寺拳法という修行の道を示されました。力だけでも、愛だけでも足りない。力と愛の調和を土台に、慈悲心と勇気をもって世のため人ために行動することが平和への道だと見据えておられました。
私たちは、ともすると技の魅力に引かれ、開祖の言葉の都合いいところだけを切り取って満足しがちです。しかし、開祖の言葉を口にするだけで、人づくりが進むわけではありません。大切なのは、開祖が何を求め、何を成し遂げたかったのかを、自分の生活の中で具体的に問い直すことです。普段の何気ない会話に優しさを添える。困っている人がいれば、できる形で手を差し伸べる。家庭や職場、地域で協力し合える関係を築く。そうした一つ一つの積み重ねが、修練で培った身心を社会に活かし、周囲を明るくする確かな力となります。
ここで皆様に、今月あらためてお願いしたいことがあります。開祖の後についていくのではなく、開祖の求めたものを求めてください。 開祖が残した技や言葉を追うだけでは、夢や希望は見えてきません。開祖が見つめた目的――「世の中を良くしたい」「平和で豊かな社会を実現したい」という願い――その向かう先を共に見据え、一歩でも二歩でも進んでまいりましょう。
2月は季節の変わり目でもあり、春へ向けて自然が静かに動き出す時期です。もし機会があれば、本山だけでなく、開祖の生誕地である岡山県美作市の記念館や、香川県多度津町の少林寺拳法発祥の地に足を運び、その空気に触れ、開祖の原点を確かめるのもよいでしょう。自分を変える一歩は、案外、そうした小さな行動から始まります。寒さは続きますが、春は確実に近づいております。どうかご自愛のうえ、日々の修練を怠りなく、身近なところから自他共楽の実践を広げてまいりましょう。
合掌再拝

