• 管長法話 >
  • Vol.102 災害時にどう行動するか

Vol.102 災害時にどう行動するか

2023/09/01

osawa

合掌
 9月に入りました。7月から8月にかけて2回の本山開放行事が行われ、20所属で、道院長、門信徒、保護者合わせ約300名の方が帰山され、コロナ前の光景が戻ってきたことを実感しました。
 さて、本日9月1日は1923年に発生した関東大震災から100年になります。関東大震災は近代において未曾有の被害を首都圏にもたらしたとして、我が国の災害史において特筆すべき災害となりました。災害への備えを忘れないためにもその発生日が防災の日として定められています。近年この時期は、台風、豪雨、水害が数多く発生しており、世界各地では気温の上昇、極度の乾燥により広範囲で山火事も起きています。
 いざ、事が起きたときに私たち金剛禅門信徒はどのように行動すればよいでしょうか。日々の修行により整えられた身心、修練で培った行動力と平常心が役立てられるのではないでしょうか。そして、それは自分の命を守るだけにとどまりません。もし災害が発生し避難や救助が必要な状況になった時、特に困るのはどのような人でしょうか。病気の人や体力のない人、高齢者や子供、自分の力だけでは思うように動けない方がいるはずです。
 ここで、今月18日には敬老の日があります。日本は超高齢社会と言われ、人口の30%近くが65歳以上の方です。普段意識していないかもしれませんが、自分のすぐ身の回りにこのような方々が多く暮らしていることになります。いざという時に慈悲心と勇気をもってこちらから声をかけ、率先して助けに行くことができるでしょうか。大きな災害があっても互いに助け合える状況をつくる。これも社会の福祉、世界の平和につながることになります。今一度、ご自身の生活圏にどのような人が暮らしているのか振り返ってみてはいかがでしょうか。
 2023年度も今月で折り返しとなります。まだまだ暑いとはいえ、少しずつ暑さも和らぎ、修行に適した環境になります。今月は本山講習会として、「羅漢練拳~練磨と交流の集い」があります。ぜひ本山に集まって、互いに刺激を与えあい、心気力を漲らせ、充実した秋を過ごしていただきたいと思います。今月も共に金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝