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Vol.104 修行を深め、さらに理想境へと

2023/11/01

osawa

合掌
 11月に入りました。先月より全国各地では、達磨祭、易筋行大会(金剛禅大会)等、各種行事が盛んに行われています。
 さて、今年もあと2か月となりましたが、今月はこれまでに学んできたことを深めていく時期としてはいかがでしょうか。易筋行においてはこれまでできなかった法形ができるようになり、教えにおいては法話や読本によって大概のことは理解できるようになっていっていると思います。
 基礎的なことを学ぶのは重要なことですが、実は、そこはまだこの先に広がる金剛禅の修行の入り口にすぎません。現状にとどまるのではなく、ぜひそこから先に進み、この道を追究していってほしいと願っています。その努力は必ず自己確立、自他共楽の理想境へと推し進めてくれます。
 易筋行においては、学んだことを使いこなせるようにしたり、応用変化を加えたりしながらさらに楽しむことができます。教えにおいては、学んだことをさらに深めてご自身の友人やコミュニティの方に説くことで、この道を歩む仲間を増やすことも可能です。そして、自身が少林寺拳法を続けていることの理由と、開祖が少林寺拳法を創始した目的を照らし合わせていくことで、今後の修行する方向性を明確にしていくことができます。
 開祖は「人の質」の重要性に気づかれ、世の中の役に立つリーダーを一人でも多くつくろうとされました。それは現状を良しとするのではなく、自らも成長しながら後から続く人を引っ張っていく存在です。先月の「少林寺拳法創始の日」で少林寺拳法は創始76年となりました。自らも一緒にこれからの少林寺拳法の歴史をつくっていく一員という自覚を持って今後も修行に励んでいただきたいと思います。
 これから寒くなるにつれ、再びコロナウィルスやインフルエンザの流行も危惧されています。護身練胆、気力を充実させて、今月も共に金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝