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Vol.109 芯のある生き方で、共楽の輪を広げる

2024/04/01

osawa

合掌
 4月、新たな年度がスタートしました。
 進級や進学、就職、転勤で大きく環境が変わる方もいれば、同じ環境であっても街で見かける人の顔ぶれが変わるなど、新しい空気を感じながら新年度を迎えていることと思います。
 諸行無常、すべては変化の連続の中にあり、世の中も人も変わっていきます。そのような中においても、私たち門信徒は、自分の中にぶれることのない芯を持って生きていくことを日々の修練において培っています。その芯となるものは、身体においては軸であり、精神においては信念と言えます。これらが芯として機能することで私たちは強く生きることができます。
 ここで、私たちが信念とすることはダーマ信仰を基に自己確立、自他共楽の生き方をすることです。つまり、縁起の理法に沿って、自分自身の可能性を信じて挑戦すること、そして自分の幸せも考えながら他の人の幸せも考えて行動することで、世の中をより良いものに変えていこうとすることです。
 自分の周りで起きていることは決して自分と無関係ではありません。すべて自分とどこかでつながっています。相手や環境を変えるより先に、まずは自分自身が変わることが大事です。具体的には、自分自身が笑顔でご機嫌でいること、良い言葉を発すること、良い友達・仲間を得られるよう良好な人間関係を築くこと、どんな時も希望を持って生きることです。このように自らが源となって発信していくことの繰り返しが幸せを引き寄せ、自分も周りも幸せにしていくことができます。
 とかく変化が目まぐるしい時代です。世の中の先を見て、自己を確立しながら、信念を持って人のため、社会のためになる行動ができるよう自他共楽の精神で生きていきましょう。どうか4月を契機として、芯のある生き方で、家族、友人、社会、身の回りへ、共楽の輪を広げていきましょう。
合掌再拝