Vol.113 平和を考える
2024/08/01
合掌
8月になりました。
人々の関心はフランス、パリで行われているオリンピックに向けられていることでしょう。オリンピックが平和の祭典と言われるように、開催できること自体が平和の象徴でもあります。国同士の仲が良く、互いの持てる智慧を戦争目的ではなく、世の中を良くし、互いを高め合うことに使う。そこに日々困難に挑戦し、鍛え上げられてきた各国選りすぐりのアスリート達の本気がぶつかり合う。勝敗に関係なく必然的に感動が生まれ、人々の心に何かしら残していきます。
今月15日は終戦記念日、終戦から80年近くが経ちます。先人たちの犠牲、努力によって日本は平和を維持しておりますが、残念ながら世界から戦争は根絶されていません。開祖は「日中の平和なくしてアジアの平和なし、アジアの平和なくして世界の平和なし」と、まずは自分に近いところから理想境を築いていくことを説かれています。
また、開祖の家族写真の中に、動物園でラクダと写っている写真と共に、開祖の直筆で次の言葉が残されています。「ラクダを見る度に、戦乱に明け暮れた蒙古での若かりし頃の自分を思う。祖国に住み、子供と遊ぶこの幸福感、体験しない者にはわからぬよろこびである。平和、そして自由。愛する者を持つ楽しみ、これこそ、真の極楽である」と。
今、当たり前にある風景も、多くの犠牲の上に成り立っています。今を生きる私たちは、この世に生を受けていること、自分へと命を繋いでくれた人たちに感謝の思いをもって日々、一生懸命に生きていきたいものです。このような時期だからこそ、一度立ち止まって、これまでの歴史、当時を生きていた人たちに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。そして金剛禅の修行を通して、世界の平和と福祉に貢献する原動力を養っていきましょう。
猛暑厳しき折となりますが、日々の修練によって免疫力を高め、新型コロナウィルス等の感染症や熱中症を予防しながら、元気に夏を過ごしていきましょう。
合掌再拝