Vol.117 自ら務めをつくる
2024/12/01
合掌
師走に入り、1年の終わりが近づいてまいりました。
道場に限らず、ご家庭や職場においても年末年始を迎えるために大掃除をする方も多いことでしょう。日々掃除を行っていても、改めて取り掛かってみると、たくさんの汚れがたまっており、思いの外、時間がかかってしまったということがあると思います。
それでも、これらを丁寧にきれいにしていく過程で、自分がこの場所を使っていたことに対する感謝の気持ちが湧くとともに、次はここまで汚れをためないように気を付け、大事に使おうという気持ちになってきます。そしてその思いを日々使っている場所だけでなく、普段関わっている人たちと接する時にも向けていくことで、自身の行動を振り返り、人との関り方を見直すことで、人間関係を良くしながら、自己を成長させていくきっかけともなります。このように掃除も人を成長させるものとして、私たちは「つとめをつくる」と書いて「作務」と呼び、修行の一つとして大事にしています。
忙しいからと言って年末の忙しさに流されるままこの時期を過ごせば、新年も慌ただしく過ぎることになります。そうはならないよう、しっかりと区切りをつけて新しい年を迎えていただきたいと思います。聖句に「浄きも浄からざるも自らのことなり、他者に依て浄むることを得ず」とあるように、自ら浄める、自分自身が率先して行動することが大事です。それが自らを変える「行い」でもあり、その繰り返しが成長となります。
2024年も残りあと僅かです。今月は自ら務めを作り、自身の行動の振り返りと周囲への感謝の気持ちをもって締めくくりましょう。そして、心新たに新年を迎えられるよう、一日一日を大事に過ごしながら共に励んでいきましょう。
合掌再拝