Vol.118 徳育

2025/01/01

osawa

合掌
 新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、本年は「徳育」をテーマに金剛禅運動を展開していきたいと思います。
 開祖は法話の中で「徳」を、行人偏(ぎょうにんべん)にプラス4つの心と記し、尽くす心、捧げる心、与えて喜ぶ心、哀れむ心と表現されると共に、合わせて徳を教えることの難しさも語られております。それは目に見えないものであり、一朝一夕に身に付けられるものではないからです。しかし、人間は可能性の種子です。大宇宙の大霊力たるダーマの徳性は、誰もが修行と努力によって人間の霊性として発現できるとも教えています。
 金剛禅の修行は技の修練が大半です。だからといって技の優劣や自己の能力ばかりに重きを置いてしまえば、当然、徳を育てることはできません。技を修練する中で、相手を敬う、感謝や思いやりの心を持つ、謙虚な姿勢で向き合う等、肉体を整えるのと同じように、自己の内面も整えていくことで、自らの内にあるダーマの徳性に気づき、養い育てることができるのです。それが自身の成長、人としての質の向上につながると同時に周囲との調和を生む力にもなります。
 「徳を育てる」ことは年齢問わず取り組むことができます。全国の道院長、門信徒、一人一人が人としての質を高めることで、自己確立・自他共楽の理想境へと近づきます。人は誰もが時間と命を平等に与えられています。どうか与えられた時間と命を最大限に生かしてください。この2025年、健康に留意しながら、「徳育」を通じて自身の幸福と他者の幸福を生み出せるように共に金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝