Vol.120 与えることで人生を豊かに
2025/03/01

合掌
3月になりました。本山では先月末から少林寺拳法連盟の本部合宿で大学生達がたくさん訪れ、道場および境内がいつにも増して若いエネルギーで溢れています。開祖は高校生、大学生を宝物のように大事にされました。少林寺拳法を在学中のものだけにすることなく、卒業後も少林寺拳法を続け、「人づくり」の道に共鳴して、次世代の指導者が出てくることを願っています。
さて、社会一般では3月は年度末の決算時期です。その年度の終わりを迎えるにあたり、目標や理想とするところをどれぐらい実現できたかが結果として現れ、それを基に次年度の計画を詳細に固めていく時期になります。開祖が法話の中で折に触れて「勝たなくていい、負けなければいい」と説かれたように、どれだけ障壁があろうとも、最後まであきらめなければ、目標を達成することができます。特に目標の達成が見える頃に、苦しさから逃れて楽をしたくなったり、ブレーキをかけたりしてしまうことがありますが、そんな時に日頃の修練で培った強い意志をもってやり遂げることが大事です。
また私達は金剛禅の門信徒である以上、何か物事を進める時には、「与える」側であってほしいと願っています。人は生まれた時には与えてもらわないと生きていけない存在ですが、成長するにつれて自立をし、やがて周囲に貢献できることが増えていきます。自身の行動で周囲に貢献し、周囲への貢献が自信や次の行動の勇気となって、さらに周囲に与えられるものが増えていきます。その積み重ねが自分だけでなく他人の人生をも豊かにし、平和な世の中、理想境へと続いていきます。
そして人に与えられるものはお金やモノに限りません、無財の七施と言われるように、笑顔を見せたり、優しい言葉や元気が出る言葉をかけたりするなど、探せばいくらでも出てくるのではないでしょうか。
年度の節目となります。皆様が心新たに2025年度を迎えられますように、今月も共に金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝