Vol.135 自己確立と智慧のまなこ
2026/06/01
合掌
6月に入り、紫陽花が色鮮やかに咲く季節となりました。梅雨入りを迎え、蒸し暑さを感じる日も増えてまいりましたが、皆様におかれては元気にお過ごしのことと存じます。
さて、先月、本山では開祖忌法要が行われ、多くの門信徒の皆様と共に開祖の遺徳を偲びました。今月は、その時の導師法話の内容を要約してお伝えいたします。
開祖は、「人、人、人、すべては人の質にある」と説かれました。社会を良くするのも悪くするのも、すべては人間の質にかかっているという教えです。そして、その「質の高い人」を育てるために、少林寺拳法という行を遺してくださいました。
少林寺拳法の根本思想に「自己確立」があります。自己確立とは、他人に依存するのではなく、自らを拠り所として生きる強さを養うことです。私たちは周囲の言葉や環境に影響を受けながら生きていますが、その中でも自分を見失わず、困難に直面しても揺らがない自己を築いていかなければなりません。
しかし、ただ強くなるだけでは独りよがりになってしまいます。そこで必要となるのが、「智慧のまなこ」です。私たちは「縁起」の教えを学んでいるように、多くの人や環境とのつながりの中で生かされています。そのことを理解する時、自分だけでなく他者も大切にしようという慈悲の心が育まれていきます。
少林寺拳法では、この「自己確立の強さ」と「智慧のまなこによる優しさ」を、「拳禅一如」「力愛不二」という言葉で表しています。開祖の志を受け継ぎ、自分自身を高めながら、周囲の人々と共に幸せを築いていけるよう、今月も日々の修練に励んでまいりましょう。
梅雨時期は身心ともに疲れが出やすい季節です。どうかご自愛いただき、元気に修練に励まれますことを祈念いたします。
合掌再拝

