vol.27 縁起の理法をいかす70周年へ

2017/06/01

osawa

合 掌 
 初夏、夏の装いが目につく季節となりました。皆様如何お過ごしでしょうか。先日、九州地方教区公認金剛禅講習会にて指導者の皆様にお会いしてきました。いつも感心するのが、指導者の皆さんの年齢より若い姿と行動と話し声です。どう見ても聴いても10歳若いと感じますし、とても嬉しくなります。金剛禅修行の主行である易筋行(少林寺拳法修行)によるものであることの実証でしょうか。これも健康で若々しく声にも張りがあるという因果は良き修練(行)とその環境が縁となってはたらいているからだと感じつつ本山に帰りました。
 さて、今年は少林寺拳法創始70周年の年です。金剛禅運動の輪をもっと広げるためにも良き縁の効果が働けばと願う毎日ですが、願うばかりでは広がりませんし、ただ動くだけでは良い結果も得ることができません。これは何事においても共通する理ですね。善因善果。
 縁起の法則(理法)はすべての人に平等に与えてくれますが、人それぞれの縁の使い方によって、また活かし方によって大きく結果が変わります。さらにその縁のつながり方もそれぞれ変れば、結果として、喜ぶ人と苦しむ人というように分かれてしまうというようになりますね。この縁の法則こそが一つの目的達成のための大切な真理であることを知る事ができますし、少林寺拳法を通じてこの理法を体得体解できるというのは価値あることです。人生の宝物を頂いていると思います。
 ひとつの成功や節目を得ようとするとき、得る為にはどうすれば良いのかを考えますが、その間には様々な縁が関わります。その縁の使い方を上手に使うことが、結果、成功への近道なのですが、失敗を繰り返すごとにこの理法が解き明かされていくというのも事実ですね。
 多くの賢人は言います。「何度、失敗を繰り返しても、諦めない心と反省と改善の行動で、結果、成功を手にすることができる」と。まさに釈尊の説かれた教えの核心、縁起の理法です。
 これを分かりやすく展開したのが、諸行無常、諸法無我、涅槃寂静ですね。私たちはこれらのはたらきを日常生活や社会の中で生かしてゆく事を正統として受け継いでゆきましょう。「人づくりによる国づくり」平和で豊かな社会づくり、理想境建設を目指し、今を一所懸命生き、共に生きる仲間との縁を活かし切りましょう。私も全国を回り良き縁の輪を広げてゆきますので皆様宜しくお願い致します。
合掌再拝