vol.35 季節に学ぶ「思いやり」
2018/02/01
合 掌
2月に入りました。数十年ぶりの強い寒波の影響で、とても寒い日が続いておりますが、皆様におかれましては、この寒さに負けずご健勝でお過ごしのことと思っており、また願っております。
さて、寒波の猛威に併せてか、インフルエンザや風邪も流行しているようです。体調を崩すと数日間お休みになり、思っていた予定もずれることが多いのではないでしょうか。思うように進まない毎日に加え健康の良し悪しによって気力が湧いたり、心が沈んだりと変化してしまいます。心と身体は別々のようですが、一如ですね。身心のバランス良い状態が健康に影響します。健康体であっても、小さな小さなウィルスによって健康が害されます。特に免疫力が落ちているようなときは要注意です。自分は大丈夫という過信も要注意。心の隙間からも入り込んできますから。
金剛禅の修行には、自己を正しく見つめる修行や、相手を正しく見て行動する修行があります。体力向上、健康増進には運動することが大切ですが、加えて食事や呼吸という人間が生きるためのエネルギーをしっかり取り込む事はもっと大切です。日々の食生活や浅い呼吸の改善には「自ら気づく」ことです。自己を正しく見つめ、今必要なエネルギー、これから必要なエネルギーをしっかり蓄えることです。この心がけを持つ人が増えることによって、気温、乾燥を敏感に感じ、早期予防を実行する事で、寒くて乾燥する季節の風邪やインフルエンザ、流行する病気も減少するのではないかと思います。
技法修練のように数百ある技を状況により使い分け、使いこなすように、相手に対して無意識のうちに状況を感じ取り、適切な反応ができるように「風邪ひかず、疲れ知らず、あきらめず」の強い身心を養う人が増えることを願っております。自分だけではなく、相手にも気を配り、心配りができていれば、他の人が気づいて無くとも気づいてあげることが出来る。これからの社会には必要ですね。
周囲の人を気遣う心で、自分も相手も健康であることこそ、学校内も職場内も地域も健康になります。寒いこの季節、暖かい心、思いやりを広め、健康な地域が広がる事を心より祈念しております。
合掌再拝