vol.48 多忙な年度末「よく整えし己れこそ」
2019/03/01

合 掌
少しずつ春の訪れを感じる頃となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、いよいよ年度末を迎えますが、本山においても、年度を締めくくる業務が急がれます。できていない業務の対処、新年度に向けた助走と、年度末ならではの忙しさがあり、業務にあたる職員も普段以上の気力と体力を充実させ金剛禅の発展に向け頑張っております。
心より門信徒の皆様が笑顔で新年度を迎えられるよう願っております。
さて、考えてみますと年末の忙しさと、年度末の忙しさは種類が違うように思います。年末はどちらかというと個人的なことや、家族的なことが多いです。乗り越えた先の1月1日には和やかな家族や親族揃っての団らんがあり、自身のアイデンティティの源に触れ充電することができます。片や年度末の忙しさは学業やお勤めに関わることが多いのではないでしょうか。転勤や進学で引っ越しとなるとなおさらです。この多忙さを乗り越えて新年度を迎えたとき、待っているのは新たなスタートラインです。新年のように充電する機会や、連休があるわけでもありませんから、健康には十分注意が必要です。身心共に疲れた状態では、後悔やネガティブな気持ちになってしまい、体調を崩す可能性も出てきます。
そこで大切なのは、やはり自らの心をポジティブにして、身体も整えスタートラインに立つしかありません。もし、身心に疲れを感じていたのなら、5分程度でも良いので呼吸から整えてみてはいかがでしょうか。ゆっくりと呼吸して、更に思念もしてみましょう。吸気では「宇宙の精気、我が体中に入る。」呼気では「ダーマの徳性、我に発する。」と思念を繰り返します。目を閉じてゆっくりと呼吸を繰り返し、雑念を取り除いていきましょう。
「良く整えし己れこそ、まこと得がたき寄るべなり」です。一日一日を大切に(乗り越えて)一所懸命に重ねていけば、新年度のスタートラインに立ったとき、きっと明るい未来が見えてくるはずです。
さあ、もう少しで新年度を迎え新しい時代に変わります。皆さんそれぞれにステージは異なりますが、共に明るい未来を見つめ歩んでまいりましょう。
合掌再拝
全国の道院では「自己を整えながら、相手と共に明るい未来づくりを目指す」人が多く集い、楽しく修練を行っています。どうぞお立ち寄りいただき、その様子を御覧ください。