vol.56 修行により「なりたい自分」へ
2019/11/01
合掌
各地で甚大な被害をもたらした台風19号により亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
さて、11月に入り、讃岐の山々も紅葉が映える季節となりました。
この季節は収穫の秋、実りの秋ともいいますね。この時期に獲れる作物は急に育ったわけではありません。良く耕された土壌に適切な時期を選んで種が蒔かれ、水や養分、太陽の恵みを受け種子は育っていきます。時には風の強い日や雨の日もあるでしょう。すべてを乗り越えて、時間の作用とともに作物は実っていきます。その作物を見れば、それがどのように育ってきたのかが分かるでしょう。ここにはまさに縁起の法則が働いています。
私達もその法則性の中に生きています。金剛禅では、人は「可能性を持つ種子」として譬えられます。土壌となるのは、私達が日頃修行を行う道院です。道院長や先輩の門信徒から家族同然のように愛情を受けながら育ち、時には日々の道院運営や行事も任されながら成長を重ね、そこでの体験が地域や社会で生きるようになります。
皆さんは今年、どんな実を結ぶことができたでしょうか。そして来年はどんな実をつけたいですか。
人が育つ土壌となる道院は全国各地に広がっています。日々の修行を通じて一人でも多くの方が、なりたい自分へと自己確立していくことを願っています。今月も共に金剛禅運動に励んでいきましょう。
合掌再拝