Vol.62 今を生き抜く

2020/05/01

osawa

合掌
 5月に入りましたが、いまだ新型コロナウイルスの終息の兆しは見えておりません。
企業活動では在宅勤務の導入、学業ではオンライン授業や宿題、家庭では不要不急の外出の自粛、閑散とした都市部や観光地の様子など、普段の大型連休とは違う光景が各地で見られます。自分が感染しない。そして他人にも感染させない。大切な人の命を守り、新型コロナウイルス終息後の社会を生きるために、今、自分にできることを考え、行うことが必要です。
 さて、5月は本山、教区、各地の道院で開祖忌法要が行われる時期です。本来であれば、本山に於いても、皆で集まって開祖の遺徳を偲び、金剛禅運動への邁進を誓い合う機会となりますが、規模を大幅に縮小せざるをえない状況です。道院に於いてもいつも通りの開祖忌法要とはいかない状況です。そこでこのような時期だからこそ、読本や教範を開き、開祖の原点や志を、自ら学ぶ機会としていただければ幸いです。
 戦後の混乱期、なぜ開祖は少林寺拳法を創始したのか。開祖は何を目指していたのか。一方で、自分は何を求めて入門し、今も修行を継続するのか。自己を振り返り、問いかけていくことで、先達たる開祖と今の自分との間を埋めることができるかもしれません。
 開祖が少林寺拳法を創始した時代は、金もモノも生きていく希望も持てない時代でした。しかし、希望をもって努力しつづけたことで復興を遂げ、今の私たちが生きている時代にも繋がっているのです。戦後の混乱期を生き抜いた先人達のDNAは私たちの中にもあります。そして私たち門信徒は達磨大師の不撓不屈の精神を引き継いでいます。新型コロナウイルスとの戦いは長期戦と言われています。どのような状況であっても心は豊かであってほしい、あきらめることなくこの状況を生き抜いてほしいのです。
心から皆様の健康と安全を願っております。
合掌再拝
この度、金剛禅で公式インスタグラムを開始しました。インスタグラム以外にもWEBやメール、フェイスブック等の方法によって、皆様の修行の継続をサポートできる内容を発信していきます。