Vol.63 新しい時代に向けて
2020/06/01

合掌
6月に入りました。特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除され、徐々に日常の生活が戻りつつあります。戻りつつあると言っても、「新たな生活様式」に表されるように、生活環境も以前とは変わっていくのではないかと思います。
開祖が少林寺拳法を創始された戦後の世の中は、今と同じように新しい時代へと変わっていく時だったのではないでしょうか。これまで当たり前と思っていたものが当たり前でなくなり、以前にはなかった価値観が生まれつつあるのに、人心は荒廃したまま。何とかしなければいけないと見つけた光明が釈尊の正しい教えと達磨の遺法を今に生かすことでした。
今回の新型コロナウィルスの脅威により、人が集まっての活動を自粛せざるを得なくなり、活動をいったん休止した道院、WEBを使ってなんとか活動を継続した道院もありました。直接顔を合わせて、手と手を取り合って修行し、人の温もりを感じ、共に成長を喜び合うということがどれだけありがたいことだったか実感した期間だったのではないでしょうか。
今後の道院活動の在り方もあるときはWEB上で、ある時は顔を合わせて行うなど変化していくのではないかと思います。その時代に必要なことを開祖が生み出したように私達も今、試されているのかもしれません。今後、画面上でも伝えられること、直接でなければ伝わらないことがよりはっきりと淘汰され、大事なものだけが残っていきます。その時に私たちはこの社会に必要な教団であると胸を張って言えるようでありたいと考えます。
身心一如の存在である私たち霊止(ヒト)は体感覚なしでは生きられませんし、自分の身体と心は自分で整えていかなければなりません。自粛疲れや運動不足、屋内環境でのストレス。コロナの次は夏の暑さに負けないよう、自分で自分をコントロールし、金剛禅運動を推進できる身体を作り上げていきましょう。
合掌再拝