Vol.67 自己の確かを積み重ねる
2020/10/01

合掌
10月に入り、澄み渡る秋空に白い雲が映える季節となりました。
今月は5日には達磨大師の命日、25日には少林寺拳法創始の日があり、祖師、先師に思いを馳せるとともに、私達の修行の意味を再確認する節目の月となります。
達磨大師は現代のように整備された交通機関もない時代に、古代インドから中国へと渡り、幾多の困難を乗り越えながら釈尊の正しい教えを伝えられました。そして、宗道臣先生(以下、「開祖」)は、戦後間もない日本において、“人づくり”のために少林寺拳法を創始され、現在は日本含め世界39か国に広がりを見せています。
達磨大師も開祖も自身が信じる教えを最初は一人で説き始められ、そして一人、また一人と賛同者を増やして、広めていきました。その間、決してすべてが順調だったわけではありません。うまくいかないことや、思わぬ妨害で嫌な思いをしたこともあったでしょう。しかし、そのような出来事が起こるたびに目の前の現象から、過去の行動が今の状況を生み出し、今の行動が未来の状況を生み出すという縁起の法則を見て取ったのではないでしょうか。
それならば、今、自分は何をなすべきか、望む未来のために今どんな種を蒔けばよいかが見えてきます。結果は必ずしも思い通りにはなりませんが、どう行動すれば良いか、どのような人生を歩むかは自分で選ぶことができます。
さらに自身の周囲に目を向け、身の回りの人を勇気づけたり励ましたり、幸せになってもらうために、今、自分はどのような言葉をかければよいか、何をしてあげたらよいか考えることも大切ですね。うまくいかなかったとしても、そこから何かを学び取り、次の糧にする。良かったことも、悪かったこともすべて糧としていきましょう。その行動の繰り返しが「不撓不屈」、「七転び八起き」の精神を養うことにもつながっていくはずです。
学業や仕事においては、いよいよ下半期に入ります。未来に向け、季節が変化するように、10月を節目として気持ちを切り替え、今月も共に修行に励んでいきましょう。
合掌再拝
本山の達磨祭法要は10月4日に行われます。新型コロナウィルス感染防止の観点から、規模を縮小する代わりに、YouTubeにて配信を行います。遠方で来られない方も是非、オンラインにてご視聴ください。
https://www.shorinjikempo.or.jp/religious/2020darumalive.html