• 管長法話 >
  • Vol.73 己の生きる目的を達成するために

Vol.73 己の生きる目的を達成するために

2021/04/01

osawa

合 掌
 4月に入りました。今年は例年より桜の開花が早く、本山、そして隣接する桃陵公園も春一色となっています。
 新しい年度が始まり、それぞれの目標に向かい、歩み始めたことと思います。何事も成し遂げるには、はじめの第一歩を踏み出す勇気と最後まであきらめない強い意志の力が必要になります。勇気を持って挑戦し、粘り強く取り組むことで、良い結果が生まれ、そこで得られた成果は確実に人を成長させ、さらなる挑戦へと向かう勇気を与えてくれます。事の大小に関わらず、私たちは易筋行である少林寺拳法の修行により勇気をはじめとした霊性を養っています。自信を持って前に進んでいきましょう。
 そして、私たちの勇気を支え、行動に力を与えるためには、己の生きる目的を明確にすることが大切です。開祖の場合は平和で豊かな社会をつくるために、「人づくりによる国づくり」という志を掲げられました。この大目的のために、釈尊の正しい教えと達磨大師の遺法である易筋行を宗門の行として現代によみがえらせ、修行法として確立されています。開祖の志から生まれたこの素晴らしい修行法は、相対演練を主とし、人間関係にも良い影響を与えることから、皆様の人生を豊かにし、己の生きる目的を達成する大きな力となりえます。自身が幸福になって終わるのではなく、ぜひその力で平和で豊かな社会、理想境を皆様の周りから実現していきましょう。
 修行により力を得て、愛を養い、行動するときには、仁・義・忠・孝・礼の意識とともに、社会に役立とうとする意識を持つことが大切です。一度きりの人生、ダーマより受けた魂と両親から受けたる身体を最大限に活用し、前進、飛躍してこそ目的も達成されることでしょう。世のため人のために生きてこそ、ダーマにも両親にも報恩の誠を尽くしていると言えます。その一歩が社会を良くします。布教とともに、成果あるご活躍を祈念いたします。
合掌再拝