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Vol.78 どんな時も自分自身を頼りとする生き方を

2021/09/01

osawa

合掌
 9月になり、暑さの中にも涼しさを感じる季節となりました。
 昨年もコロナ禍にあり、今年はさらに感染が拡大しています。コロナばかりに目が行きがちですが、この時期忘れてはならないのが「災害は忘れた頃にやってくる」ということです。地理的な問題で日本は地震が多く、温暖化の影響で台風や豪雨の被害も年々深刻化しており、世界各地では山火事も多くニュースで流れるようになっています。
 災害の発生をゼロにすることはできなくても、起きた後にどう行動するかは私たち自身で選ぶことができます。そして次に同じことが起きた場合に、被害をどう抑えるか、そのためにどう備えるかを考えることもできます。いざと言う時に国や地方公共団体の助力も必要ですが、自分たちの町は自分たちで守る、せめて自分の身は自分で守るという意識が大事になります。そのためには、どんな時でも信じられる自分をつくる、やはり、自己確立が必要になってきます。
 私たちは自己確立・自他共楽の理想境を目指し、日々修行に取り組んでいます。修練では、頭で理解していても体がそのように動いてくれないことに気づかされることでしょう。それだけ知っていることやれることの間には大きな差があります。その差を埋めていく過程の中で、いつしかイメージした通りに体が動くようになります。思考と行動が一致することで、自分がこうしようと決めたことを遂行できるようになり、それがいつでも信頼できる自己につながっていきます。
 この一か月、修練に限らず日常においても、思考と行動が一致するよう、意識して取り組んでみてください。その積み重ねが自身の中にブレない芯を作り、人生を豊かに生きる支えとなるはずです。芯が通っていれば、いざという時にも右往左往することなく、やるべきことに注力することができます。どんな時も自分自身を頼りにできる生き方を目指して、今月も修行に励んでいきましょう。
合掌再拝

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