Vol.81 自らに与えられた命

2021/12/01

osawa

合掌
 師走に入り、1年の終わりが近づいてまいりました。公私共に、年末年始の準備に余念がない方も多いことでしょう。この時期忘れてはならないのが、自分に与えられた命をこの1年どう使ってきたかを振り返ることです。
 人生100年時代と言われるように平均寿命は延びましたが、その命には限りがあります。そのことを意識することなく過ごしても、一瞬一瞬を大事に過ごしても流れる時間は同じです。そうであるならば、与えられた命、精一杯できることをやって生きていくのが大切です。
 金剛禅の布教拠点である全国各地の道院には、自らも修行しながら金剛禅運動を先導する道院長達がいます。中には40年、50年、半世紀以上を道院長として1つの道を極め、布教活動を行ってきた人たちもいます。高齢になっても正業を持ちながら、人を育て、地域や社会を良くしていこうと開祖の志した人づくりのために奔走する姿は、これからの世の中の手本と言えるのではないでしょうか。金剛禅運動を長く続けるためには熱意が必要です。周囲の協力を得ることも必要です。でも健康でなければ続けることができません。私たちの拳禅一如の修行は与えられた命を存分に使うためにあるのです。
 「人はひとを幸せにするために生まれてくる」という前師家の言葉にあるように、私たちの命は、自分一人で完結するものではありません。私たちには開祖が遺された素晴らしい教えと技法もあります。このような恵まれた環境にあることに思いを馳せ、可能な限り、自分自身の持つ可能性を磨き、自分の命を最大限使っていただきたいと思います。そのような人が一人でも多くなれば、世の中は必ず良くなります。
 年の瀬が迫る忙しい時期にはなりますが、この1年、命をどう使ってきたかを振り返り、来年もダーマの徳性を発揮しながら共に金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝