少林寺拳法オンラインマガジン

合掌

　６月に入りました。先月、本山では3年ぶりに道院長研修会（参集型）が行われました。香川県も感染者数が減っていかない状況下で、開催そのものが危ぶまれましたが、何とか実施することができ、1次2次合わせて約450名の道院長が帰山しました。そして1次の２日目には開祖忌法要を執り行い、多くの道院長と共に開祖の遺徳を偲び、各地における布教への思いを新たにしました。
　体温を計り、マスクや手指消毒等の感染防止策を徹底しての参集でしたが、互いに声を掛け合い、笑顔で再開を喜び合う姿が大変印象的であり、今回ほど人と人のつながりの大切さを実感したことはありません。コロナ禍により、オンラインでの会合や研修が一般的になりつつありますが、画面やスピーカー越しではなく、直に会い、温かい眼差しと声を伝え、同じ時間、同じ空間を共有し、互いに元気を与え合うことは、生身の人間にしかできないことです。そして、全国に同じ志を持った仲間がいるからこそ、心強くもあり、何十年も道院長として人づくりに励むことができるのだと思います。
　オンラインが当たり前の時代には不便に感じるかもしれませんが、私たちの修行は、人と人とが肌を触れ合わせなければできないものばかりです。これは決して時代遅れなものではなく、いつ何が起こるかわからない、不確定な時代において、人々に生きる力と困難に立ち向かう強い心を与えてくれる、むしろこれからの社会において価値あるものと言えます。どれだけ時代が変わろうとも、開祖の説かれる「人間関係の豊かさに幸せを感じる」という教えは、色褪せることはありません。
　このような時代だからこそ、金剛禅の教えと、修行の目的と在り方を多くの人に広げていきましょう。今月も仲間と共に修行に励んでいきましょう。
合掌再拝