• 管長法話 >
  • Vol.93 1年を振り返り、新しい年につなぐ

Vol.93 1年を振り返り、新しい年につなぐ

2022/12/01

osawa

合掌
 師走に入りました。皆さんはこの1年どのように過ごしてきたでしょうか。今一度やり遂げたこと、やり残していることを振り返ってみましょう。
 「終わりよければすべてよし」という言葉があるように、どのように終えるかによって次のスタートが決まります。失敗してうまくいかなかったとき、落ち込んだままで先に進んでも、次もうまくいきません。たとえ失敗をなかったことと切り替えて進んでも、同じ失敗を繰り返すことになります。失敗したとしても、なぜうまくいかなかったのか、原因を理解し、対策を講じて次に臨むのであれば、時間がかかったとしても成功の花を咲かせることになります。このように原因と結果、縁起の法則を自覚して生きていくことの繰り返しが私たちの修行です。
 金剛禅の修行は、人格を高め、人生を豊かにしてくれるものです。だからこそ年齢に関係なく始めることができ、生涯にわたって行うことができます。それは一朝一夕にできることではなく、日々の積み重ねが必要です。一見大変そうに見えますが、修行を通じて成長し、積み上げられていくものは、簡単には崩れません。それが生きていく上での芯となり、自分も他人も幸せにする、自他共楽の社会を築く原動力となっていきます。
 大きく飛躍するためには足元を固め、一度屈む必要があります。2022年も残すところわずかとなります。この1年を振り返り、来年をどのような年にしていくのかをじっくりと考え、年が明けた頃には新たな目標を自分自身に誓えるようにしていきましょう。一日一日を大事に過ごしながら、良い年を迎えられるよう、今月も共に金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝