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Vol.95 迷いを捨て自らの可能性を信じる

2023/02/01

osawa

合掌
 2月に入りました。私たちの身近な風習となっておりますが、立春前日の節分には、邪気を払い、無病息災を祈るために、豆まきをするご家庭も多いのではないでしょうか。節分とは季節の変わり目であり、古来より邪気が入ると言われ、邪気は鬼にたとえられてきました。
 私たちは自らの可能性を信じて修行をしています。ところが疑心暗鬼というように、少しでも疑う心、ひょっとしたらうまくいかないのではという不安が湧くと、たちまち悪い方向に物事を考えてしまい、将来の夢や目標が揺らぐようになります。私たちが退けるべき鬼ともいえる悩みや不安というのは、外からやってくるものではなく、自らの心の内に起こるものです。そうであるのならば、まずは自分自身を信じること、そして誰もが自分の中に可能性という名の種子を持っていることを強く信じることから自己確立の修行は始まります。そうすれば、暗闇の中にあっても光を見出し、あきらめずに進むことができるようになります。
 2月10日は、開祖宗道臣生誕の日です。開祖自身も自らの可能性を信じて行動されました。「今の世の中を何とかしたい」という強い情熱を持ち、平和で豊かな社会を目指して、人づくりを行ってきました。たった一人の人間が始めた運動が、日本を超え、今や世界に広がっています。
 昨年始まった、ロシアによるウクライナ侵攻はまだ終わりが見えません。しかし、私たち門信徒一人一人が、開祖の思いを受け継ぎ、修行によって学んだことを社会で実践していくことができるのなら、自分も周りも幸せにすることができるだけでなく、近隣諸国や諸外国とも良好な関係が築かれ、いつかは真の平和が達成できると信じています。
 迷いは捨て、自らの可能性を信じ、1日1日を大切にして、皆様が元気よく楽しく過ごせることを願っています。今月も金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝