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Vol.96 日々の修行で人格を高める

2023/03/01

osawa

合掌
 3月に入りました。
 コロナ禍から3年が経ち、引き続き感染拡大防止策は必要となりますが、政府の発表により今月の13日以降、マスク着用が自己判断になります。見慣れたマスク姿が、徐々に減っていくことで、春に向けて生活様式とともに季節が変わっていくことを、身をもって体感することになると思います。
 この3年間で、生活様式だけでなく、社会生活や人との関り方も大きく変化しました。コロナ禍においては、正解がない中でも、瞬間、瞬間で判断をしなければならない場面も多かったのではないでしょうか。金剛禅門信徒にとっては、日々の修練で培ったことが試される場でもあったと思います。
 金剛禅では、「勘を養うこと」「正しい判断力」の大切さを説いています。それらは急速に身に付けられるものではなく、日々磨いていくものです。私たちの修行は単に技のみを学ぶものではありません。技は護身の技術であることから、一見、自分が不利と思える状況から反撃に転じなくてはなりません。その中で間合いをとり、相手の考えや気持ちを推し量り、「先」をとらなければ成り立ちません。さらには、多様な修行法の中から、正義感や慈悲心、人や社会のために動く行動力も養われます。これらは、教団の理念にある「人格を高める」ことにつながります。
 そして4月からは、新しい科目表、「修行科目表」に沿った修練が施行されます。修行者の人格を高め、人づくりにつながるよう、修行のあり方に立ち返った内容となっています。日々の修練が楽しく有意義になる仕掛けも入れておりますので、徐々に慣れていってください。
 春が近づくとともに草木が芽吹いていくように、この1か月を新しい年度への準備期間として有意義に過ごしていただくことを願っています。今月も共に、金剛禅運動に邁進していきましょう。
合掌再拝