Vol.06 出会えてよかったと言われる人であり続けたい

2012/11/04

今年の9月、横浜みなとみらい線で、受験勉強の疲れからかふらつき、ホームから線路に転落した女子高生を、二人の男性が協力して助けたという出来事がありました。ホームに立った女子高生の様子がおかしいと感じ視線を向けた途端に線路内に落ちたそうです。そのとき近づく電車にはまだ10秒ある……と思い、緊急停止のボタンを押すよう大声で叫びながら助けに飛び降りたという男性が、少林寺拳法の拳士でした。緊急停止ボタンを押し線路に飛び降りた警察官の男性と二人で、意識のない女子高生をギリギリのところで救出し、線路脇の側溝に3人でうずくまり助かったそうです。三人共に助かったことは、幸運以外の何ものでもありません。
その拳士はとっさに、自分にも子どもがいる、もし自分の子どもだったら、と思い飛び降りたそうです。なかなかできることではありません。
その女子高生には、未来をもたらしてくれた二人の男性のように、勇気を持って生きてほしいと思います。
その時々の状況判断には難しいものがあります。すべては結果でしか言えないのかもしれませんが、しかし、「おかしいな」「大丈夫かな」と人に関心を持ち、心が動いていることに注目したいと思います。「この世の最も悪は、隣人に無関心なことだ。大切なことは、隣人に心を差し向けることだ」と、マザーテレサも言っています。
人生にはさまざまな出会いがあります。「あなたに出会えて本当によかった」という出会いもあれば、「あんな人と、出会わなければよかった」といわれる出会いもあるのです。
最近、もしも少林寺拳法がなかったら、この人たちとは会っていなかったかもしれないと思うことがよくあり、そう思うとその空間が輝いて見えるのです。そんなときいつも思うことは、私自身が出会えてよかったと言ってもらえる人であり続けたいということです。少林寺拳法と出会ったことで、より人生が開けるものでありたいと思います。